北海道大学 2004年度
理系数学 前期 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 複素数平面、数列
- 解法
- 漸化式の変形、複素数の極形式、剰余分類
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
次の漸化式で定義される複素数の数列z1=1,zn+1=21+i3zn+1 (n=1,2,⋯)を考える.ただし,iは虚数単位である.
(1) z2,z3を求めよ.
(2) 上の漸化式をzn+1−α=21+i3(zn−α)と表したとき,複素数αを求めよ.
(3) 一般項znを求めよ.
(4) zn=−21−i3となるような自然数nをすべて求めよ.
出典:北海道大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第1問
方針
係数 λ=(1+i3)/2 は絶対値 1、偏角 π/3 の複素数である。まず固定点 α を求めて zn+1−α=λ(zn−α) の等比型に直す。一般項では 1−λ=λ−1 を使って指数を整理し、最後は λ6=1、λ3=−1 という周期で n を分類する。
解答
(1)
λ=21+i3 とおく。すると漸化式は zn+1=λzn+1 である。z1=1 より z2=λ+1=23+23i である。また
z3=λz2+1=λ(1+λ)+1=1+λ+λ2
である。ここで λ+λ2=i3 だから z3=1+i3 である。
(2)
zn+1−α=λ(zn−α) と表せるとすると、zn+1=λzn+(1−λ)α である。もとの漸化式 zn+1=λzn+1 と比べると、(1−λ)α=1 である。したがって α=1−λ1 である。実際に 1−λ=1−21+i3=21−i3 なので、α=(1−i3)/21=21+i3 である。よって α=λ である。
(3)
(2) より zn+1−λ=λ(zn−λ) である。したがって zn−λ=λn−1(z1−λ) である。ここで z1−λ=1−λ=21−i3=λ−1 だから、zn−λ=λn−1λ−1=λn−2 である。よって zn=λ+λn−2 であり、すなわち zn=21+i3+(21+i3)n−2 である。
(4)
求める条件は zn=−21−i3 である。右辺は −λ−1 であるから、(3) の式を用いると λ+λn−2=−λ−1 である。したがって λn−2=−(λ+λ−1) である。λ=eiπ/3 なので λ+λ−1=2cos3π=1 である。よって λn−2=−1 である。 λ は偏角 π/3 の複素数なので λ3=−1,λ6=1 である。したがって n−2≡3(mod6) であり、n≡5(mod6) である。求める自然数は n=6m+5(m=0,1,2,…) である。
別解。漸化式は、点 λ を中心として偏角 π/3 だけ回転する操作と見られる。実際、zn−λ が毎回 λ 倍されるので、zn は中心 λ、半径 1 の円周上を6周期で動く。この幾何的な見方からも、目標点に到達するのは初期位置から3回分回転したとき、すなわち n−2≡3(mod6) のときである。