北海道大学 1994年度
理系数学 前期 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、三角関数、論証・証明
- 解法
- 対称性の利用、定積分評価、不等式評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 18分
問題
連続関数f(x)はf(0)=1であり,任意の実数xについて∫−xxf(t)dt=asinx+bcosxを満たしているとする.
(1) 定数a,bの値を求めよ.
(2) g(x)=f(x)−cosxとおくとき,g(x)は奇関数であることを示せ.
(3) x≧0のとき,不等式∫−xx{f(t)}2dt≧∫−xxcos2tdtを証明せよ.
出典:北海道大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第4問
方針
まず x=0 を代入して b を決め、両辺を微分して f(x)+f(−x) を求める。f(0)=1 から a が決まる。次に f を cosx と残り g(x) に分けると、g は奇関数になる。最後は f2=(cosx+g)2 を展開し、偶関数と奇関数の積の積分が0になること、g2 の積分が非負であることを使う。
解答
(1)
与えられた式 ∫−xxf(t)dt=asinx+bcosx に x=0 を代入すると、左辺は0であり、右辺は b である。よって b=0 である。
次に両辺を x で微分する。左辺は上端と下端の両方が動くので dxd∫−xxf(t)dt=f(x)+f(−x) である。右辺は、b=0 より acosx である。したがって f(x)+f(−x)=acosx を得る。ここで x=0 とすると 2f(0)=a であり、f(0)=1 だから a=2 である。よって a=2,b=0 である。
(2)
(1)より f(x)+f(−x)=2cosx である。g(x)=f(x)−cosx とおくと、g(x)+g(−x)={f(x)−cosx}+{f(−x)−cos(−x)} である。cos(−x)=cosx だから g(x)+g(−x)=f(x)+f(−x)−2cosx=0 となる。したがって g(−x)=−g(x) であり、g(x) は奇関数である。
(3)
f(t)=cost+g(t) と書くと f(t)2=cos2t+2costg(t)+g(t)2 である。cost は偶関数、g(t) は奇関数なので、costg(t) は奇関数である。したがって x≧0 のとき ∫−xx2costg(t)dt=0 である。
よって
∫−xxf(t)2dt=∫−xxcos2tdt+∫−xxg(t)2dt
である。最後の積分は被積分関数が常に0以上なので ∫−xxg(t)2dt≧0 である。したがって ∫−xxf(t)2dt≧∫−xxcos2tdt が成り立つ。
別解。(3)は、f の偶関数部分が cosx であると見るとさらに短い。(1)から f(x)+f(−x)=2cosx なので、f は「偶関数部分 cosx」と「奇関数部分 g(x)」の和である。左右対称な区間では偶関数部分と奇関数部分の積の積分は0になり、残る差は ∫−xxg(t)2dt であるから非負である。