北海道大学 1992年度
理系数学 前期 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、数列、方程式・不等式
- 解法
- 不等式評価、置換積分、和の計算
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 22分
問題
(1) 正の実数p,qに対して,∫01xp(1−x)qdx≦q+11を示せ.
(2) 第n項anが次式であたえられるとき,無限級数の和n=1∑∞anを求めよ.ただし,sは1より大きい実数とする.
an=ns+11∫0nxs(1−nx)ndx
出典:北海道大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問
方針
(1)は 0≦x≦1 で xp≦1 を用いて積分を上から押さえる。(2)は x=nt と置換して an=∫01ts(1−t)ndt に直す。部分和では有限等比和を積分の中で処理し,極限との差を ∫01ts−1(1−t)N+1dt と書く。ここで(1)を p=s−1,q=N+1 に使い,差が0へ近づくことを確認する。
解答
(1)
0≦x≦1 で p>0 だから 0≦xp≦1 である。また (1−x)q≧0 なので 0≦xp(1−x)q≦(1−x)q である。したがって ∫01xp(1−x)qdx≦∫01(1−x)qdx である。右辺は
∫01(1−x)qdx=[−q+1(1−x)q+1]01=q+11
だから ∫01xp(1−x)qdx≦q+11 が示された。
(2)
定義式で x=nt とおくと,dx=ndt であり,x=0 から x=n は t=0 から t=1 に対応する。したがって
an=ns+11∫0nxs(1−nx)ndx=∫01ts(1−t)ndt
である。
部分和を SN=∑n=1Nan とおく。有限和なので積分と和を入れ替えて SN=∫01ts∑n=1N(1−t)ndt である。ここで ∑n=1N(1−t)n=t(1−t){1−(1−t)N} だから SN=∫01ts−1(1−t){1−(1−t)N}dt である。
候補となる極限値は ∫01ts−1(1−t)dt である。実際,この積分との差は ∫01ts−1(1−t)N+1dt である。s>1 なので s−1>0 であり,(1)を p=s−1,q=N+1 に用いると 0≦∫01ts−1(1−t)N+1dt≦N+21 である。これは N→∞ で0に近づく。したがって ∑n=1∞an=∫01ts−1(1−t)dt である。
最後に
∫01ts−1(1−t)dt=∫01(ts−1−ts)dt=s1−s+11=s(s+1)1
を得る。