北海道大学 1989年度
理系数学 前期 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、微分、関数
- 解法
- 定積分評価、不等式評価、文字消去
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
f(x)はx≧aで定義された連続な増加関数で,x>aのときf(x)>0とする.このf(x)に対して,
g(x)=x−a1∫axf(t)dt(x>a)
とおく.このとき,次の問に答えよ.
(1) すべてのx (x>a)に対して,
(x−a)g′(x)=f(x)−g(x)
が成り立つことを証明せよ.
(2) g(x)はx>aで増加関数であることを証明せよ.
(3) すべてのx (x>a)に対して,2f(x)=3g(x)を満たす関数f(x)を求めよ.
出典:北海道大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第4問
方針
(1)は (x−a)g(x)=∫axf(t)dt として両辺を微分する。(2)は増加性から平均値 g(x) が右端の値 f(x) を超えないことを示し、(1)に代入して g′(x)≧0 を得る。(3)は 2f=3g を(1)に代入し、f だけの式にして積分し、連続性で x=a の値も決める。
解答
【(1)】定義より、x>a で (x−a)g(x)=∫axf(t)dt である。両辺を x で微分すると、左辺は積の微分により g(x)+(x−a)g′(x) となり、右辺は f(x) となる。したがって g(x)+(x−a)g′(x)=f(x) であり、整理して (x−a)g′(x)=f(x)−g(x) を得る。
【(2)】 f は増加関数であるから、a≦t≦x では f(t)≦f(x) である。よって ∫axf(t)dt≦∫axf(x)dt=(x−a)f(x) となる。x−a>0 で割ると g(x)≦f(x) である。(1)より (x−a)g′(x)=f(x)−g(x)≧0 であり、x−a>0 だから g′(x)≧0 である。したがって g(x) は x>a で増加関数である。
【(3)】すべての x>a で 2f(x)=3g(x) が成り立つとする。このとき g(x)=32f(x) である。これを(1)に代入すると (x−a)(32f′(x))=f(x)−32f(x)=31f(x) であるから 2(x−a)f′(x)=f(x) となる。x>a では f(x)>0 なので、両辺を 2(x−a)f(x) で割って f(x)f′(x)=2(x−a)1 を得る。両辺を積分すると logf(x)=21log(x−a)+logC となる。ただし C は正の定数である。したがって f(x)=Cx−a(x>a) である。 f は x=a でも連続であるから f(a)=limx→a+Cx−a=0 でなければならない。逆に、C>0 として f(a)=0,f(x)=Cx−a(x>a) と定めると、f は連続な増加関数で、x>a で正である。また
g(x)=x−a1∫axCt−adt=x−a1⋅32C(x−a)3/2=32Cx−a
となり、確かに 2f(x)=3g(x) を満たす。
よって求める関数は、正の定数 C を用いて f(a)=0,f(x)=Cx−a(x>a) と表される。