東京大学 2023年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 積分、関数、三角関数
- 解法
- 置換積分、不等式評価、はさみうち、定積分評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 14分
問題
(1) 正の整数kに対し,
Ak=∫kπ(k+1)π∣sin(x2)∣dx
とおく。次の不等式が成り立つことを示せ。
(2) 正の整数nに対し,
Bn=n1∫nπ2nπ∣sin(x2)∣dx
とおく。極限limn→∞Bnを求めよ。
出典:東京大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
(1) は u=x2 と置換し,∣sinu∣ の1周期分の積分が常に2になることを使う。係数 1/(2u) は区間 [kπ,(k+1)π] で単調に減少するので,両端で挟めばよい。(2) は積分区間を k=n,n+1,…,2n−1 に分割して(1)を足し合わせる。最後は左右の和を 1/n 倍の形に直し,1/x のリーマン和として極限を計算する。
解答
(1)
u=x2 とおくと,du=2xdx=2udx である。したがって Ak=∫kπ(k+1)π2u∣sinu∣du となる。kπ≦u≦(k+1)π では
である。また,∣sinu∣ の半周期2つ分の面積は ∫kπ(k+1)π∣sinu∣du=2 である。よって
2(k+1)π1∫kπ(k+1)π∣sinu∣du≦Ak≦2kπ1∫kπ(k+1)π∣sinu∣du
となるから (k+1)π1≦Ak≦kπ1 が成り立つ。
(2)
積分区間を
[nπ,(n+1)π],[(n+1)π,(n+2)π],…,[(2n−1)π,2nπ]
に分けると Bn=n1∑k=n2n−1Ak である。(1)より
n1k=n∑2n−1(k+1)π1≦Bn≦n1k=n∑2n−1kπ1
である。
右辺は π1⋅n1∑k=n2n−1k/n1 である。これは区間 [1,2] を幅 1/n に分けたときの関数 1/x のリーマン和なので π1∫12xdx に収束する。
左辺は π1⋅n1∑k=n2n−1(k+1)/n1 であり,これは右端を使った同じリーマン和であるから,やはり同じ極限をもつ。したがってはさみうちの原理より
n→∞limBn=π1∫12x−1/2dx=π1[2x]12=π2(2−1)
である。