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東京大学 2018年度
文系数学 第1問

問題

座標平面上に放物線

で定め,領域

で定める。原点をとおる2直線に接するものとする。

(1) 放物線上を動く点と直線の距離をそれぞれとする。が最小値をとるときの点の座標を求めよ。

(2) 次の条件をみたす点の動きうる範囲を求め,座標平面上に図示せよ。
条件:領域のすべての点に対し不等式がなりたつ。

% 図は省略

出典:東京大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問

方針

原点を通る接線は直線を とおいて重解条件で求める。距離 は放物線上の点 から2本の接線への距離なので,平方根を取ると の一次式になる。最小値は区間 に分けて傾きを見る。(2)は が上方向に無限に広がることからまず を得る。 では各 で最も厳しい点が放物線上にあるため,二次式が常に非正になる条件を判別式で処理し, の端も忘れずに含める。

解答

(1)

原点を通る直線を とおく。この直線と の共有点の 座標は すなわち を満たす。接するためにはこの二次方程式が重解をもてばよいから,判別式より である。したがって であり,接線は である。 とおく。直線 への距離は であり,直線 ,すなわち への距離は である。よって

となる。正の定数 は最小点に影響しないので を最小にすればよい。 では で,傾きは である。 では で,傾きは である。 では で,傾きは である。したがって で最小となる。求める点は である。

(2)

方向に上へ無限に広がる。もし なら,固定した を十分大きくすると は成り立たない。したがって必要条件として を得る。

まず とする。このとき条件は のすべての点で である。領域 には正の をもつ点も負の をもつ点も含まれるから,これは のときに限る。

次に とする。固定した に対して が小さいほど大きくなるので, 上での最大値は境界 上で生じる。したがって がすべての実数 で成り立つことが必要十分である。 とおくと,これは すなわち がすべての実数 で成り立つ条件に等しい。二次の係数は正なので,判別式が0以下であればよい。よって であり, すなわち を得る。 に戻すと である。 の場合にはこの不等式から が出るので,まとめて求める範囲は である。図では,原点を頂点とし,直線 に挟まれた 側の閉じた角領域である。

別解。(2)では のときだけ考えればよい。条件 を境界の放物線上で調べると がすべての で成り立つことになる。これは原点を通る直線 が放物線 の下側にあるという条件であり,二次式 の判別式が0以下であればよい。同じ条件を整理すると となり, の端を加えて同じ範囲を得る。