東京大学 2008年度
文系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文科一類・文科二類・文科三類
- 分野
- 数列、整数
- 解法
- 漸化式の変形、合同式、数学的帰納法
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
pを自然数とする。次の関係式で定められる数列{an},{bn}を考える。
⎩⎨⎧a1=p,b1=p+1,an+1=an+pbnbn+1=pan+(p+1)bn(n=1,2,3,⋯),(n=1,2,3,⋯).
(1) n=1,2,3,⋯に対し,次の2つの数がともにp3で割り切れることを示せ。
an−2n(n−1)p2−np,bn−n(n−1)p2−np−1
(2) pを3以上の奇数とする。このとき,apはp2で割り切れるが,p3では割り切れないことを示せ。
出典:東京大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第4問
方針
(1)は an,bn を厳密に求めるのではなく,p3 で割った余りだけを同時に追う。主張は an と bn の2本の合同式に言い換えられるので,n から n+1 への帰納法で示す。計算では p3 の倍数になる項をその都度落としてよいが,どの項を落としたか分かる形で整理する。(2)は(1)に n=p を代入し,p が3以上の奇数であるため (p−1)/2 が整数になることを使って,ap=p2+p3M という形にする。
解答
(1)
示すべき2つの式は,次の合同式と同値である。 an≡np+2n(n−1)p2(modp3), bn≡1+np+n(n−1)p2(modp3). これを同時に数学的帰納法で示す。 n=1 のとき,a1=p=1⋅p+21⋅0p2, b1=p+1=1+1⋅p+1⋅0⋅p2 であるから成り立つ。
ある n で成り立つと仮定する。まず
an+1=an+pbn≡(np+2n(n−1)p2)+p(1+np+n(n−1)p2)(modp3)≡np+2n(n−1)p2+p+np2(modp3)=(n+1)p+2n(n+1)p2(modp3).
ここで p⋅n(n−1)p2 は p3 の倍数なので落とした。
次に
bn+1=pan+(p+1)bn≡p(np+2n(n−1)p2)+(p+1)(1+np+n(n−1)p2)(modp3)≡np2+{1+np+n(n−1)p2}+{p+np2}(modp3)=1+(n+1)p+n(n+1)p2(modp3).
したがって n+1 でも2つの合同式が成り立つ。数学的帰納法により,すべての自然数 n で成り立つ。
よって an−2n(n−1)p2−np および bn−n(n−1)p2−np−1 はともに p3 で割り切れる。
(2)
(1)の an に関する合同式で n=p とおくと,
ap≡p⋅p+2p(p−1)p2(modp3)=p2+2p−1p3(modp3).
p は奇数であるから (p−1)/2 は整数である。したがって,ある整数 M を用いて ap=p2+p3M と書ける。
この式から ap=p2(1+pM) であるため,ap は p2 で割り切れる。一方,1+pM は p で割ると 1 余るので p では割り切れない。したがって ap は p3 では割り切れない。