東京大学 2008年度
文系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文科一類・文科二類・文科三類
- 分野
- 積分、関数、方程式・不等式
- 解法
- 定積分評価、文字消去、微分による最大最小
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 10〜15分
問題
0≦α≦βをみたす実数α,βと,2次式f(x)=x2−(α+β)x+αβについて,∫−11f(x)dx=1が成立しているとする。このとき定積分S=∫0αf(x)dxをαの式で表し,Sがとりうる値の最大値を求めよ。
出典:東京大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問
方針
定積分条件では,x の一次の項は [−1,1] 上で積分すると消えるため,まず αβ だけが決まる。この条件から αβ=61 を得るので,α=0 は起こらず,β=6α1 として S を α だけの式に直す。最後に,条件 0≦α≦β は α2≦61 という上限を与える。最大値はこの範囲で得た三次式の増減を調べ,端点で等号条件 α=β=61 が実現することまで確認する。
解答
与えられた条件を計算する。[−1,1] では奇関数の積分が 0 になるので,
∫−11{x2−(α+β)x+αβ}dx=∫−11x2dx−(α+β)∫−11xdx+αβ∫−111dx=32+2αβ.
これが 1 に等しいから,αβ=61 である。したがって α=0 は条件に反し,α>0 である。また β=6α1 と表せる。
次に S を計算する。
S=∫0α{x2−(α+β)x+αβ}dx=[3x3−2α+βx2+αβx]0α=3α3−2(α+β)α2+α2β=(31−21)α3+(−21+1)α2β=−6α3+2α2β.
ここで αβ=61 より α2β=6α だから,S=−6α3+12α=12α−2α3 である。
残るのは α の範囲である。0<α≦β と αβ=61 から α2≦αβ=61 であり,0<α≦61 である。この範囲で
dαd(12α−2α3)=121−6α2
となる。いま 0<α≦61 では 1−6α2≧0 であるから,S はこの範囲で単調に増加する。
よって最大値は α=61 のときに得られる。このとき β=6α1=61 であり,条件 α≦β も満たす。最大値は
121(61−2⋅661)=121⋅362=1861
である。