東京大学 2006年度
文系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文科一類・文科二類・文科三類
- 分野
- 関数、三角関数、微分
- 解法
- 絶対値の処理、増減表、微分による最大最小
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 22分
問題
θは,0∘<θ<45∘の範囲の角度を表す定数とする。−1≦x≦1の範囲で,
f(x)=∣x+1∣3+∣x−cos2θ∣3+∣x−1∣3
が最小値をとるときの変数xの値を,cosθで表せ。
出典:東京大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第4問
方針
a=cos2θ とおくと,0∘<θ<45∘ より 0<a<1 である。区間 [−1,1] では ∣x+1∣=x+1,∣x−1∣=1−x と外せるので,残る ∣x−a∣ によって [−1,a] と [a,1] に分ける。各区間で微分し,[a,1] では増加,[−1,a] では導関数の符号が1回だけ変わることを示す。最後に a=2cos2θ−1 を代入して cosθ だけで表す。
解答
a=cos2θ とおく。0∘<θ<45∘ より 0<2θ<90∘ であるから 0<a<1 である。 −1≦x≦1 では ∣x+1∣=x+1,∣x−1∣=1−x である。したがって,∣x−a∣ の符号だけで場合分けすればよい。
まず a≦x≦1 の場合,f(x)=(x+1)3+(x−a)3+(1−x)3 である。微分すると
f′(x)=3(x+1)2+3(x−a)2−3(1−x)2=3{(x+1)2−(1−x)2+(x−a)2}=3{4x+(x−a)2}
である。ここで x≧a>0 だから f′(x)>0 であり,この区間では f(x) は増加する。したがって最小点はこの区間の内部にはない。
次に −1≦x≦a の場合,f(x)=(x+1)3+(a−x)3+(1−x)3 である。微分すると f′(x)=3(x+1)2−3(a−x)2−3(1−x)2 である。f′(x)=0 は (x+1)2−(a−x)2−(1−x)2=0 すなわち x2−(4+2a)x+a2=0 と同値である。この2次方程式の解は x=2+a±21+a である。
このうち x0=2+a−21+a を考える。s=1+a とおくと 1<s<2 であり,x0=1+s2−2s=(s−1)2 である。したがって −1<x0 であり,さらに a−x0=(s2−1)−(s−1)2=2(s−1)>0 なので x0<a である。よって x0 は [−1,a] に入る。一方,もう一つの解 2+a+21+a は明らかに a より大きい。 −1≦x≦a では,f′(x) の符号は x0 の前で負,後で正となる。したがって f(x) は x0 で最小値をとる。[a,1] では増加するので,全体の最小点もこの x0 である。
最後に a=cos2θ=2cos2θ−1 を代入する。すると 1+a=2cos2θ=2cosθ である。0<θ<45∘ なので cosθ>0 を用いた。よって求める x は x=1+2cos2θ−22cosθ である。