東京大学 2005年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 複素数平面、図形と方程式
- 解法
- 座標設定、範囲評価、図形的解釈
- 難易度
- 8 / 10 計算量 7 / 10 目安 —
問題
∣z∣>45となるどのような複素数zに対してもw=z2−2zとは表されない複素数w全体の集合をTとする。すなわち,
T={w∣w=z2−2z ならば ∣z∣≦45}
とする。このとき,Tに属する複素数wで絶対値∣w∣が最大になるようなwの値を求めよ。
出典:東京大学 2005年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
w=z2−2z を w+1=(z−1)2 と平方完成する。u=z−1 とおけば,同じ w に対応する2つの z は 1+u と 1−u である。w が T に入るには,この2つの逆像がともに半径 5/4 の円内にあることが必要十分なので,u は中心 1 と −1 の2円の共通部分を動く。u=X+Yi として,固定した ∣X∣ に対し ∣u2−1∣2 が Y2 について増加することを示し,共通部分の上端で最大化する。
解答
u=z−1 とおくと w=z2−2z=(z−1)2−1=u2−1 である。ある w に対して u2=w+1 を満たす u を1つ取ると,対応する z は z=1+u,z=1−u の2つである。u=0 のときは同じ値になるが,この場合も以下の条件に含まれる。
したがって,w が T に属するためには,w=z2−2z と表すすべての z が ∣z∣≦5/4 を満たせばよい。これは ∣1+u∣≦45,∣1−u∣≦45 と同値である。 u=X+Yi とおく。この条件は (X+1)2+Y2≦1625,(X−1)2+Y2≦1625 である。X0=∣X∣ とおくと,2つの不等式のうち厳しい方は中心から遠い側であり,Y2≦1625−(1+X0)2=169−2X0−X02 である。右辺が0以上でなければならないので,特に 0≦X0≦41 である。
一方,
∣w∣2=∣u2−1∣2=∣(X2−Y2−1)+2XYi∣2=(1−X02+Y2)2+4X02Y2
である。X0 を固定し,v=Y2 とおくと,右辺は (1−X02+v)2+4X02v であり,v で微分すると 2(1−X02+v)+4X02=2(1+X02+v)>0 である。したがって,固定した X0 に対して ∣w∣2 は Y2 が最大のとき最大になる。
よって Y2=169−2X0−X02 を代入すればよい。このとき 1−X02+Y2=1625−2X0−2X02 であるから,
∣w∣2≦(1625−2X0−2X02)2+4X02(169−2X0−X02)=256625−425X0≦256625
である。したがって ∣w∣≦1625 である。
等号が成り立つには X0=0 かつ Y2=9/16 であればよい。このとき u=±43i であり,実際 ∣1+u∣=∣1−u∣=1+169=45 を満たす。対応する w は w=u2−1=−169−1=−1625 である。よって,T に属する複素数のうち絶対値が最大となるものは −1625 である。