東京大学 2000年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 数列、関数、指数・対数、微分
- 解法
- 漸化式の変形、極限計算、グラフの概形、計算整理
- 難易度
- 6 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
a>0とする。正の整数nに対して,区間0≦x≦aをn等分する点の集合
{0,na,⋯,nn−1a,a}
の上で定義された関数fn(x)があり,次の方程式を満たす。
⎩⎨⎧fn(0)=c,hfn((k+1)h)−fn(kh)={1−fn(kh)}fn((k+1)h)(k=0,1,⋯,n−1)
ただし,h=na,c>0である。このとき,以下の問いに答えよ。
(1) pk=fn(kh)1 (k=0,1,⋯,n)とおいてpkを求めよ。
(2) g(a)=n→∞limfn(a)とおく。g(a)を求めよ。
(3) c=2,1,41それぞれの場合について,y=g(x)のx>0でのグラフをかけ。
出典:東京大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
差分方程式は fn((k+1)h) と fn(kh) が積で現れるため、逆数 pk=1/fn(kh) を導入すると一次漸化式になる。具体的には pk+1−1=(1−h)(pk−1) で、等比数列として pk を求める。k=n、h=a/n として (1−a/n)n の極限を取り、最後は c の値ごとに初期値・単調性・漸近線 y=1 を整理してグラフの形を決める。
解答
(1)
記号を簡単にするため fk=fn(kh) と書く。与えられた式は hfk+1−fk=(1−fk)fk+1 であるから fk+1−fk=h(1−fk)fk+1 である。両辺を fkfk+1 で割ると fk1−fk+11=h(fk1−1) となる。 pk=1/fk とおくと pk−pk+1=h(pk−1) であり、したがって pk+1=(1−h)pk+h である。両辺から 1 を引けば pk+1−1=(1−h)(pk−1) となる。p0=1/c だから pk−1=(c1−1)(1−h)k であり、pk=1+(c1−1)(1−h)k である。
(2)
a に対応する点は k=n であり、h=a/n である。(1)より fn(a)=1+(c1−1)(1−na)n1 である。ここで limn→∞(1−na)n=e−a なので g(a)=1+(c1−1)e−a1 である。分母分子に cea を掛けると g(a)=cea+1−ccea である。
(3)
x>0 に対して g(x)=cex+1−ccex である。また微分すると g′(x)=(cex+1−c)2cex(1−c) である。 c=2 のとき g(x)=2ex−12ex であり、g′(x)<0 だから単調減少である。x=0 まで延長すれば g(0)=2 であり、x→∞ で g(x)→1 となる。したがって x>0 では 1 より大きい側から 1 に近づく曲線である。 c=1 のとき g(x)=1 であり、グラフは水平直線 y=1 である。 c=41 のとき g(x)=ex+3ex であり、g′(x)>0 だから単調増加である。x=0 まで延長すれば g(0)=1/4 であり、x→∞ で g(x)→1 となる。したがって x>0 では 1 より小さい側から 1 に近づく曲線である。
以上を図示すれば、c=2 は上から y=1 に近づく減少曲線、c=1 は y=1、c=1/4 は下から y=1 に近づく増加曲線である。