東京大学 1999年度
理系数学 第6問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 積分、指数・対数、三角関数、方程式・不等式
- 解法
- 部分積分、定積分評価、不等式評価、計算整理
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 12分
問題
∫0πexsin2xdx>8
であることを示せ。ただし,π=3.14⋯は円周率,e=2.71⋯は自然対数の底である。
出典:東京大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第6問
方針
まず sin2x=(1−cos2x)/2 を用いて定積分を正確に計算する。∫excos2xdx は部分積分を2回行うか、微分して確認できる形 ex(cos2x+2sin2x)/5 を使う。積分値は 2(eπ−1)/5 になるので、あとは eπ>21 を示せばよい。数値評価は、e>2.7、π>3.14、および u>0 で eu>1+u を用いて、高校範囲の不等式として処理する。
解答
まず積分値を計算する。 sin2x=21−cos2x であるから
∫0πexsin2xdx=21∫0πexdx−21∫0πexcos2xdx.
ここで dxd{5ex(cos2x+2sin2x)}=excos2x である。したがって
∫0πexcos2xdx=[5ex(cos2x+2sin2x)]0π=5eπ−1
である。また ∫0πexdx=eπ−1 である。よって
∫0πexsin2xdx=21(eπ−1)−21⋅5eπ−1=52(eπ−1).
したがって、示すべきことは 52(eπ−1)>8 すなわち eπ>21 である。
これを示す。e>2.7、π>3.14 であり、u>0 に対して eu>1+u が成り立つ。よって eπ=e3eπ−3>2.73e0.14>2.73(1+0.14) である。ここで 2.73=19.683 なので 2.73⋅1.14=22.43862>21 である。したがって eπ>21 である。
以上より ∫0πexsin2xdx=52(eπ−1)>52(21−1)=8 である。よって ∫0πexsin2xdx>8 が示された。