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東京大学 1995年度
理系数学 第5問

問題

サイコロを回投げて,平面上の点を次の規則(a),(b)によって定める。

(a)

(b) のとき,回目に出た目の数がのときには,をそれぞれ東,北,西,南にだけ動かした点をとする。また回目に出た目の数がのときにはとする。ただし軸の正の向きを北と定める。

このとき以下の問いに答えよ。

(1) 軸上にあれば,もすべて軸上にあることを示せ。

(2) が第1象限にある確率をで示せ。

出典:東京大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問

方針

移動距離が と半分ずつ小さくなるため,ある方向成分について最初に0でなくなった移動は,その後の同方向成分の全移動量を合わせても打ち消せない。(1) は 座標でこの事実を示す。(2) では 座標が0になる事象と 座標が0になる事象を数え,両方が0でない場合は東西反転・南北反転の対称性により4象限が等確率になることを使う。

解答

(1)

座標を とする。 軸上にあるとは, であることを意味する。

もし途中で北または南への移動が一度でも起こったと仮定し,その最初の時刻を とする。このとき 回目の 方向の移動量の絶対値は である。一方, 回目以降に起こり得る 方向の移動量の絶対値の総和は,高々

である。したがって,最初の 方向の移動を,その後の移動で完全に打ち消すことはできない。これは に反する。

よって, 軸上にあるなら,北または南への移動は一度も起こっていない。したがって もすべて 軸上にある。

(2)

(1) と同じ議論を 方向にも用いると, 座標が0であることは,東または西への移動が一度も起こらないことと同値である。したがって である。同様に である。また, かつ となるのは,毎回5または6が出て,点が一度も動かない場合に限られるから, である。

ゆえに, かつ である確率は

である。

次に, かつ の場合を考える。さいころの目1と3を入れ替える対応を考えると,東と西が入れ替わり, 座標の符号だけが反転する。同様に,目2と4を入れ替える対応を考えると, 座標の符号だけが反転する。どちらの対応も起こり方の数と確率を保つので,4つの象限に入る確率は等しい。

したがって,第1象限にある確率はその4分の1であり,

である。