東京大学 1995年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 積分、微分、三角関数
- 解法
- 不等式評価、微分による最大最小、定積分評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 12〜15分
問題
f(x)=1−sinxに対し,
g(x)=∫0x(x−t)f(t)dt
とおく。このとき,任意の実数x,yについて
g(x+y)+g(x−y)≧2g(x)
が成り立つことを示せ。
出典:東京大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
積分で定義された g を2回微分し,g′′(x)=1−sinx≧0 を得る。固定した x に対し,差 H(y)=g(x+y)+g(x−y)−2g(x) を作ると,H(0)=H′(0)=0,H′′(y)≧0 が成り立つ。H は偶関数なので,y≧0 で単調性を示してから任意の実数 y に戻す。
解答
まず g を微分する。定義より g(x)=∫0x(x−t)f(t)dt=x∫0xf(t)dt−∫0xtf(t)dt である。したがって g′(x)=∫0xf(t)dt+xf(x)−xf(x)=∫0xf(t)dt となり,さらに g′′(x)=f(x)=1−sinx である。任意の実数 x について −1≦sinx≦1 だから g′′(x)=1−sinx≧0 である。
次に x を固定し,H(y)=g(x+y)+g(x−y)−2g(x) とおく。H(y)=H(−y) なので H は偶関数である。よって y≧0 の場合を示せば十分である。 H(0)=0 であり,H′(y)=g′(x+y)−g′(x−y) だから H′(0)=0 である。また H′′(y)=g′′(x+y)+g′′(x−y)≧0 である。したがって y≧0 では H′(y) は増加関数であり,H′(0)=0 から H′(y)≧0 である。さらに H(0)=0 なので H(y)≧0(y≧0) となる。偶関数性より y<0 でも同じ不等式が成り立つ。
以上より,任意の実数 x,y について g(x+y)+g(x−y)≧2g(x) が成り立つ。
別解。上の H(y) について,y≧0 とすると H(y)=∫0y{g′(x+s)−g′(x−s)}ds である。また g′(x+s)−g′(x−s)=∫x−sx+sg′′(t)dt であり,g′′(t)=1−sint≧0 である。したがって内側の積分も外側の積分も0以上であり,H(y)≧0 が従う。