東京大学 1994年度
文系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文科一類・文科二類・文科三類
- 分野
- 数列、積分、関数
- 解法
- 漸化式の変形、定積分評価、グラフの概形、存在証明
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
0<c<1とする。3次関数f(x)=−4x3+3x2に対し,
f1(x)=f(x)+∫0cf(t)dt,f2(x)=f(x)+∫0cf1(t)dt
とおく。以下,関数f3(x),f4(x),⋯を順次
fn(x)=f(x)+∫0cfn−1(t)dt(n=3,4,⋯)
により定める。
(1) 関数fn(x)を求めよ。
(2) fn(x)について,0<x<1のとき,fn(x)=0を満たすxがただひとつ存在することを示せ。
出典:東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第4問
方針
定義から各fn(x)は元の3次関数f(x)に定数を加えた形になる。そこでfn(x)=f(x)+Cnとおき,Cnだけの漸化式を作る。(1)では∫0cf(t)dt=c3(1−c)を計算し,等比数列の和でCn=c3(1−cn)を得る。(2)ではfn(0)>0,fn(1)<0から存在を示し,−4x3+3x2が3/4<x<1で単調減少することを使って一意性を示す。
解答
(1)
まず
∫0cf(t)dt=∫0c(−4t3+3t2)dt=[−t4+t3]0c=c3−c4=c3(1−c)
である。
定義式では,xを含む部分は常にf(x)だけであり,積分で加わる部分は定数である。そこで fn(x)=f(x)+Cn とおく。n=1では C1=c3(1−c) である。またn≧2では
Cn=∫0cfn−1(t)dt=∫0c{f(t)+Cn−1}dt=c3(1−c)+cCn−1
である。
したがって Cn=c3(1−c)(1+c+⋯+cn−1) となる。0<c<1より 1+c+⋯+cn−1=1−c1−cn であるから Cn=c3(1−cn) を得る。よって fn(x)=−4x3+3x2+c3(1−cn) である。
(2)
0<c<1より0<c3<1,また0<1−cn<1であるから 0<c3(1−cn)<1 である。したがって fn(0)=c3(1−cn)>0 であり,また fn(1)=−4+3+c3(1−cn)=−1+c3(1−cn)<0 である。連続性より,0<x<1に少なくとも1つ解が存在する。
一意性を示す。 h(x)=−4x3+3x2=x2(3−4x) とおく。0<x≦3/4ではh(x)≧0なので fn(x)=h(x)+c3(1−cn)>0 である。したがって解は3/4<x<1にしか現れない。
一方,h′(x)=−12x2+6x=6x(1−2x) であるから,3/4<x<1ではh′(x)<0である。よってfn(x)=h(x)+c3(1−cn)もこの区間で単調に減少する。さらに fn(43)=c3(1−cn)>0,fn(1)<0 であるから,3/4<x<1に解はただ一つ存在する。
以上より,0<x<1でfn(x)=0を満たすxはただ一つである。