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東京大学 1994年度
文系数学 第3問

問題

に対し,行列

を考える。

のとき,ベクトルの長さについて,次の不等式が成り立つことを示せ。

ただしとする。

出典:東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問

方針

に分けると,の長さがによらずになる。この一定長を利用し,三角不等式と逆向きの三角不等式でを上下から挟む。上側はからすぐへ落とす。下側はと比較し,両辺が正であることを確認してから平方して示す。別解として,を直接展開し,三角関数の最大最小で同じ評価を得ることもできる。

解答

とおくと である。と書くと

であるから

である。またである。

まず三角不等式より

である。よりなので を得る。

次に逆向きの三角不等式より である。あとは を示せばよい。これは と同値であり,両辺は正である。平方して比べると となるから,確かに成り立つ。

以上より である。

別解。 の大きさを直接調べることもできる。

であるから,整理すると である。任意のに対して が成り立つので である。平方根をとれば,先ほどと同じ上下評価が得られる。