東京大学 1990年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 数列、関数
- 解法
- はさみうち、極限計算、範囲評価
- 難易度
- 4 / 10 計算量 3 / 10 目安 —
問題
an=k=1∑nk1,bn=k=1∑n2k+11
とするとき,
n→∞liman,n→∞limanbn
を求めよ。
出典:東京大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
まず an は下から n で押さえれば無限大に発散する。比の極限は、2k+1 を 2k と 2k+2 の間に挟み、bn を an に近い和で上下から評価する。最後に、1項ずらした和と an の比が1に近づくことを示してはさみうちを使う。
解答
まず 1≦k≦n では k1≧n1 である。したがって an=∑k=1nk1≧n⋅n1=n である。よって limn→∞an=∞ である。
次に bn/an を考える。各 k≧1 について 2k<2k+1<2k+2 であるから 2k+21<2k+11<2k1 である。これを k=1,2,…,n について足すと
21k=1∑nk+11<bn<21k=1∑nk1
すなわち 21(an+1−1)<bn<21an である。
両辺を an で割ると
21⋅anan+1−1<anbn<21
である。ここで an+1=an+n+11 だから anan+1−1=1+an1/n+1−1 である。すでに an→∞ が分かっているので、右辺は 1 に近づく。したがってはさみうちにより limn→∞anbn=21 である。別解。積分比較で大きさを直接見ることもできる。関数 1/x は正で減少するので
∫1n+1xdx≦an≦1+∫1nxdx
である。すなわち 2(n+1−1)≦an≦1+2(n−1) だから、an は無限大に発散し、さらに an/(2n) は1に近づく。
同様に、関数 1/2x+1 も正で減少するので
∫1n+12x+1dx≦bn≦∫0n2x+1dx
である。両端はいずれも n が大きいとき 2n と同じ大きさになるため、bn/2n は1に近づく。したがって
n→∞limanbn=2n2n=21
という見方でも同じ結論を得る。