問題
を正の実数とし,
とする。上半平面で を反復したとき,すべての について
となるような を求めよ。
出典:東京大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
文科第3問で得た反復表示を用いる。 がすべての で成り立つなら、一次分数変換として が恒等変換であることと同じである。係数 は の累乗に対応するので、 として の5乗が実数になる条件を角度で読む。
解答
文科第3問と同様に、 回反復した式は と表され、 を満たす。
条件 がすべての で成り立つとする。一次分数変換は逆に戻せるので、これは が恒等変換であることと同じである。上の表示では、 が恒等変換になるためには であればよい。
ここで記号 を を満たすものとして扱うと、漸化式は に対応している。実際、 では であり、 を掛けると となって、上の漸化式と一致する。 のときは が正の実数で、 の の係数は正となるため にはならない。 のときも漸化式から であり、不適である。したがって とする。 とおくと と書ける。 の偏角を とすると である。 とは が実数であることなので である。よって となる。
したがって より である。これを整理すると である。