東京大学 1986年度
文系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文科一類・文科二類・文科三類
- 分野
- 積分、関数
- 解法
- 恒等式比較、対称性の利用
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 10〜15分
問題
三次またはそれ以下の任意の整式f(x)=ax3+bx2+cx+dに対して,常に∫−11f(x)dx=uf(s)+vf(t)が成立つような定数u,v,s,tを求めよ.ただしs<tとする.
出典:東京大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
任意の三次以下の整式で恒等的に成り立つ条件なので,基底となる 1,x,x2,x3 を代入して四つの方程式を作る。奇数次の積分が 0 になることから二つの評価点が対称であることを導き,重みと位置を決める。最後に得られた値を一般の f(x) に戻して,三次以下なら本当に成立することを確認する。
解答
条件が三次以下のすべての整式に対して成り立つので,まず f(x)=1,x,x2,x3 を順に代入する。 f(x)=1 から 2=u+v を得る。f(x)=x から 0=us+vt を得る。f(x)=x2 から 32=us2+vt2 を得る。さらに f(x)=x3 から 0=us3+vt3 を得る。
ここで us+vt=0,us3+vt3=0 を比べる。前者から us=−vt である。これを後者に用いると us3+vt3=us3−ust2=us(s2−t2)=0 となる。もし us=0 なら us=vt=0 となり,u+v=2 と us2+vt2=2/3 を同時に満たせない。したがって us=0 であり,s2=t2 である。条件 s<t より s=−t,t>0 となる。
このとき us+vt=0 は −ut+vt=0 となるから u=v である。さらに u+v=2 より u=v=1 を得る。最後に x2 の式へ代入すると 32=s2+t2=2t2 であるから t=31,s=−31 となる。
実際,この値に対して三次以下の整式 f(x)=ax3+bx2+cx+d を考えると,
f(−31)+f(31)=2(3b+d)=32b+2d
である。一方,奇数次の項は対称区間で打ち消し合うので ∫−11f(x)dx=∫−11(bx2+d)dx=32b+2d となり,一致する。よって u=v=1,s=−31,t=31 である。