東北大学 2019年度
後期・理系数学 後期 第6問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 複素数平面、論証・証明
- 解法
- 式変形、複素数の極形式、図形的解釈
- 難易度
- 8 / 10 計算量 7 / 10 目安 —
問題
複素数平面上の互いに異なる4点A(z1),B(w1),C(z2),D(w2)を考える。
(1) 次の等式が成立することを示せ。
∣z1w1+z2w2∣2=(∣z1∣2+∣z2∣2)(∣w1∣2+∣w2∣2)−∣z1w2−z2w1∣2
(2) 2つの等式
∣z1w1+z2w2∣2=(∣z1∣2+∣z2∣2)(∣w1∣2+∣w2∣2)⋯⋯(*)
∣z1∣=∣w1∣⋯⋯(**)
が成り立つとき,2つの直線ABとCDは平行であることを示せ。
(3) 2つの等式(*),(**)が成り立ち,4点A,B,C,Dが同一直線上にないならば,これらの4点はある直線に関して対称な四角形の頂点となることを示せ。
出典:東北大学 2019年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第6問
方針
(1)は両辺を展開して、差として現れる項が打ち消されることを確認する。(2)では(1)から、等号 (*) が成り立つ条件は z1w2−z2w1=0 であると分かる。図形全体を回転して w1 を正の実数にし、∣z1∣=∣w1∣ から z1=w1eiθ と置くと、等号条件から z2=eiθw2 が得られる。これは同じ直線に関する反射を表すので、平行性と対称性が読める。
解答
(1)
右辺の最後の項を展開する。
∣z1w2−z2w1∣2=(z1w2−z2w1)(z1w2−z2w1)=∣z1∣2∣w2∣2+∣z2∣2∣w1∣2−z1z2w2w1−z1z2w2w1
である。したがって
(∣z1∣2+∣z2∣2)(∣w1∣2+∣w2∣2)−∣z1w2−z2w1∣2=∣z1∣2∣w1∣2+∣z2∣2∣w2∣2+z1w1z2w2+z1w1z2w2=∣z1w1+z2w2∣2
である。よって示す等式が成り立つ。
(2)
(1)より、等式 (*) が成り立つことは ∣z1w2−z2w1∣2=0 すなわち z1w2=z2w1 と同値である。
図形全体を原点のまわりに回転しても、平行性や対称性は変わらない。そこで w1 を正の実数としてよい。∣z1∣=∣w1∣ より、ある実数 θ を用いて z1=w1eiθ と書ける。4点は互いに異なるので z1=w1 であり、eiθ=1 としてよい。等号条件から z2=eiθw2 である。
直線 AB の方向を表す複素数は w1−z1=w1(1−eiθ) である。一方、w2=ρeiϕ と書けば
w2−z2=ρeiϕ−ρei(θ−ϕ)=2iρeiθ/2sin(ϕ−2θ)
であり、w1−z1=−2iw1eiθ/2sin2θ である。したがって w2−z2 と w1−z1 の比は実数である。よって2つの直線 AB と CD は平行である。
(3)
(2)と同じ表示を用いる。直線 argz=2θ を考える。この直線に関する反射は、複素数 z を z↦eiθz へ移す操作である。 w1 は正の実数であり、z1=eiθw1 であるから、点Aと点Bはこの直線に関して対称である。また z2=eiθw2 であるから、点Cと点Dも同じ直線に関して対称である。
4点が同一直線上にないなら、これら4点は退化せず、2組の対称な点の組として1つの四角形の頂点になる。したがって、4点 A,B,C,D はある直線に関して対称な四角形の頂点となる。