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東北大学 2006年度
後期・理系数学 後期 第6問

問題

とし,実数を成分とする2次正方行列について以下の問に答えよ.

(1) として,を満たす実数を求めよ.

(2) かつを満たすことは,を満たすことと同値であることを示せ.

(3) かつならば,またはがなりたつことを示せ.

出典:東北大学 2006年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第6問

方針

(1)は2次行列を直接2乗し, が単位行列の定数倍になることを確かめる。(2)では (1) の形 を使って の一次結合に直し, が単位行列の実数倍になる場合を除いて係数比較する。(3)も同じく の一次結合に直し, に反する場合を除外して に帰着する。

解答

(1)

とする。直接計算すると

であり,

である。したがって

である。よって である。

(2)

(1)より と書ける。このとき

である。

まず かつ とする。このとき である。もし なら,この式から の実数倍になる。すなわち と書ける。すると より なので,実数 について となり, である。これは を意味し,仮定に反する。したがって でなければならない。

このとき上の式は となるので である。 を代入して より である。したがって となり, を得る。

逆に とする。このとき なら左辺は となり零行列でないので, である。また であり,左辺は零行列だから である。よって である。

(3)

再び とおく。この関係を繰り返し用いると と書け,計算すると であり, である。実際, から順に の一次結合へ直せばこの式を得る。

いま なので である。もし なら の実数倍になる。 と書くと, より である。実数 では または だから,いずれも となり,仮定 に反する。したがって である。 なので,次の3つを調べる。

まず のとき, より である。すると となり,仮定に反する。

次に のとき, である。このとき となるので, より である。 なら だから である。よって(2)より である。 なら だから である。この両辺に を掛けると となり, である。

最後に のとき, である。このとき となり,これは実数 について になれない。したがってこの場合は不可能である。

以上より が成り立つ。