問題
(1) 実数を成分とする2次正方行列が,ある実数, について,をみたせば,であることを示せ.
(2) 実数を成分とする2次正方行列で,をみたすものをすべて求めよ.
出典:東北大学 1999年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第5問
方針
(1)は2次正方行列の恒等式 を成分計算として用いる。これにより は と単位行列の一次結合で表される。 が非実数に対応する形で、右上成分 をもつため、その一次結合の係数は0ではなく、 自身も同じ形になる。(2)は行列 を複素数 に対応させ、 の3つの解を求める。
解答
(1)
2次正方行列
について、直接計算により が成り立つ。これに を掛けると であり、さらに を代入して となる。
ここで とおく。もし なら、上式より は単位行列の実数倍になり、右上成分は0になる。しかし問題では
なので、これは不可能である。したがって である。
上式から である。右辺は
と単位行列の一次結合だから、対角成分が等しく、左下成分が右上成分の符号反対である形を保つ。したがって である。
(2)
行列
を複素数 に対応させる。この対応では、行列の積は複素数の積に対応する。したがって条件は と同値である。
右辺を極形式で表すと である。よって3乗根は
で、 である。
それぞれの角は である。 だから である。したがって を得る。
よって求める行列は
である。