問題
行列
において,は逆行列をもち,,とする.が成り立つとき,次に答えよ.
(1) を求めよ.
(2) の表す平面上の1次変換によって,円はどのような図形に移るか.その方程式を求めよ.
出典:東北大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第3問
方針
は の転置行列なので、条件 を に直す。これは の2本の列ベクトルが、ともに長さ で互いに垂直であることを意味する。列の長さと内積条件から を導き、さらに で の候補を絞る。円の移った図形は、長さが常に 倍されることから決める。
解答
(1)
与えられた2つの行列を見ると である。条件 より であるから、右から を掛けて を得る。これは、 の2つの列ベクトルがともに長さ で、互いに垂直であることを表す。
第1列と第2列はそれぞれ
である。したがって が成り立つ。 とおくと、上の2つの長さ条件から である。また内積条件を2乗すると である。よって となり、整理して を得る。したがって である。 かつ なので、候補は である。 のときは だから、内積条件より となり、条件 に反する。したがって である。
このとき であり、長さ条件から である。さらに内積条件から である。よって の2通りである。
したがって求める行列は
または
である。
(2)
(1)で得たどちらの行列についても が成り立つ。点 を列ベクトル とし、移った点を とすると である。
もとの点が円 上を動くとき、移った点 は を満たす。逆に は逆行列をもつので、この円周上の各点はもとの円周上の点から移ってくる。したがって求める図形は で表される円である。