問題
(1) 行列で表される1次変換が,曲線上のすべての点を曲線上の点にうつすとき,はどのような行列か.行列の各成分をの式として表せ.
(2) さらに,この1次変換の逆変換も,曲線上のすべての点を曲線上の点にうつすとき,を求めよ.
方針
とおき、 上で常に となる条件を恒等式として比較する。 を代入すると 、定数、 の係数がそれぞれ決まり、2種類の行列が出る。逆変換にも同じ条件を課す部分では、得られた2種類について逆行列を実際に書き、同じ恒等式条件を満たすか調べる。
解答
(1)
とおく。すなわち である。点 が 上にあるので、 と書ける。条件はすべての に対して が成り立つことである。
実際に代入すると であるから
これが常に2であるためには が必要十分である。したがって であり、さらに である。
もし と の符号の取り方が同じなら となり、 で条件を満たさない。よって符号は反対でなければならない。このとき となるので である。ここで はあり得ない。したがって求める行列は
または
である。ただし である。
(2)
(1)で得た2種類を調べる。まず
とする。このとき であり、 だから
である。この逆変換も (1) と同じ条件を満たすには、上の係数比較より でなければならない。したがって である。さらに なので、 のとき 、 のとき である。よって
または
を得る。
次に
とする。このとき であり、
である。同じ係数比較をこの行列に適用すると、まず が必要になるが、そのとき定数項は となり、2にはなり得ない。したがってこの場合は不可能である。
以上より、求める行列は
である。
補足。最初の係数比較では、 と の係数を0にし、定数項を2にするという3条件を同時に使う。ここを一つでも落とすと、余分な行列を含めてしまう。