東北大学 1984年度
文系数学 前期 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 数列、論証・証明
- 解法
- 数学的帰納法、不等式評価、式変形
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 24分
問題
数列{an}において,an≧0 (n=1,2,⋯⋯)とし,sn=k=1∑nakとおく.このとき,次の不等式を数学的帰納法を用いて証明せよ.
(1+a1)(1+a2)⋯⋯(1+an)≦1+sn+2!sn2+⋯⋯+n!snn
出典:東北大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第2問
方針
右辺を En(s)=∑r=0nsr/r! とおき、帰納法で (1+an+1)En(sn)≦En+1(sn+an+1) を示す。差を直接評価し、(s+a)r−sr≧rasr−1 と、最後の項 (s+a)n+1/(n+1)! が不足分を補うことを使う。別解として、積を部分集合の和として展開する見方でも確認できる。
解答
En(u)=∑r=0nr!ur とおく。示すべき不等式は (1+a1)(1+a2)⋯(1+an)≦En(sn) である。 n=1 のときは s1=a1 であり、1+a1=1+s1=E1(s1) だから成り立つ。 n で成り立つと仮定する。a=an+1, s=sn とおくと、sn+1=s+a である。帰納法の仮定より
(1+a1)(1+a2)⋯(1+an+1)={(1+a1)(1+a2)⋯(1+an)}(1+a)≦(1+a)En(s)
である。したがって (1+a)En(s)≦En+1(s+a) を示せばよい。 s,a≧0 であるから、1≦r≦n について (s+a)r−sr≧rasr−1 である。また二項展開の asn の項を見れば (s+a)n+1≧(n+1)asn である。よって (n+1)!(s+a)n+1≧n!asn である。
以上を用いると
En+1(s+a)−En(s)=r=1∑nr!(s+a)r−sr+(n+1)!(s+a)n+1≧r=1∑nr!rasr−1+n!asn=ar=0∑nr!sr=aEn(s)
である。したがって En+1(s+a)≧(1+a)En(s) が成り立つ。これにより (1+a1)(1+a2)⋯(1+an+1)≦En+1(sn+1) が示された。数学的帰納法により、すべての正の整数 n について不等式が成り立つ。