東京工業大学 2010年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程
- 対象
- 全類
- 分野
- 三角関数、微分、積分、論証・証明
- 解法
- 増減表、面積計算、不等式評価、誘導利用
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
f(x)=1−cosx−xsinx とする。
(1) 0<x<π において,f(x)=0 は唯一の解を持つことを示せ。
(2) J=∫0π∣f(x)∣dx とする。(1)の唯一の解を α とするとき,J を sinα の式で表せ。
(3) (2)で定義された J と 2 の大小を比較せよ。
出典:東京工業大学 2010年度 前期日程 理系 第1問
方針
(1)は f′(x)=−xcosx から,(0,2π) と (2π,π) に分けて増減を調べる。(2)は f の符号が α で変わることと ∫0πf(x)dx=0 を使い,根の条件 1−cosα−αsinα=0 から α を消去する。(3)は J=2sinα に帰着し,α<43π を f(43π)>0 で示す。
解答
(1)
f′(x)=sinx−(sinx+xcosx)=−xcosx である。したがって 0<x<2π では f′(x)<0,2π<x<π では f′(x)>0 である。
f(0)=0 であるから,0<x≦2π では f(x)<0 である。また f(2π)=1−2π<0,f(π)=2>0 であり,f は (2π,π) で増加する。よって中間値の定理と単調性により,f(x)=0 は (0,π) にただ一つの解を持つ。
(2)
(1)より f(x)<0 は 0<x<α,f(x)>0 は α<x<π で成り立つ。原始関数の一つはF(x)=x+xcosx−2sinxであり,F(0)=F(π)=0 である。したがって
J=−∫0αf(x)dx+∫απf(x)dx=−2F(α)
となる。
f(α)=0 より cosα=1−αsinα である。さらに sinα>0 であり,sin2α+cos2α=1 に代入すると(α2+1)sinα=2αを得る。よって α2sinα=2α−sinα である。これをJ=−2(α+αcosα−2sinα)に用いると,
J=−2(2α−α2sinα−2sinα)=2sinα
である。
(3)
2π<α<π である。(2π,π) で f は増加するので,f(43π)>0 を示せば α<43π である。
ここでf(43π)=1−22(43π−1)である。 π<722,2<710 より,
22(43π−1)<75⋅1419=9895<1
であるから f(43π)>0 である。したがって α<43π であり,sinα>22 となる。ゆえに J=2sinα>2 である。