問題
半径 の定円 がある。半径 の円板 が円 に外接しながら一定の速さですべることなくころがっている。円板 の周上の一点を とするとき, の速度ベクトルが となる場所が有限個であるための必要十分条件を求めよ。
出典:東京工業大学 2009年度 AO入試 AO・理系 第4問
方針
定円の中心を原点に置き,円板の中心がなす角を とする。すべらない外接回転では,円板上の固定点の向きは だけ進む。点 の位置を三角関数で表して速度を計算すると,速度が0になる条件は となる。これが円周上で有限個の場所だけを与える条件を,有理数かどうかで判定する。
解答
定円 の中心を原点 とし,円板 の中心が のまわりに角 だけ進んだとする。円板の周上の点 の初期位置によるずれを とおけば,すべらない条件より の位置ベクトルは
と表せる。
は時間とともに一定の割合で増えるので,速度ベクトルが となる場所を調べるには, による微分が となる条件を調べればよい。微分すると,速度が0であることは
と同値である。したがってすなわちとなる整数 が存在することが条件である。
このとき は接点に一致し,その場所は定円 上の偏角 の点である。したがって問題はが を法として有限個の値しかとらない条件を求めることに帰着する。
が有理数ならば, の を法とする値は有限個である。逆に が無理数ならば,異なる整数 に対して と が の整数倍だけ異なるとすると,が整数となるが,これは が無理数であることに反する。よって値は無限個である。
したがって,速度ベクトルが となる場所が有限個であるための必要十分条件はである。これは が有理数であることと同値である。