東京工業大学 2009年度
AO・理系数学 第1問
- 試験区分
- AO入試
- 対象
- 全類
- 分野
- 関数、三角関数、微分、数列
- 解法
- 帰納的定義の利用、数え上げ、場合分け、誘導利用
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
f1(x)=πsinx とし,n=2,3,4,… に対して fn(x)=f1(fn−1(x)) で関数の列 f2(x),f3(x),f4(x),… を定める。このとき,区間 0<x<π において fn(x) が極値をとるような x の個数を n で表せ。
出典:東京工業大学 2009年度 AO入試 AO・理系 第1問
方針
g(x)=πsinx,f0(x)=x と見ると,fn=g(fn−1) である。導関数が0になるのは,途中の値 fj(x) が 2π になるときである。そこで fj(x)=2π の解の個数を帰納的に数える。各解は次の合成で実際に極大または極小を与えることも確認する。
解答
g(x)=πsinx,また便宜上 f0(x)=x とおく。このとき fn=g(fn−1) である。
0<y<π に対して,方程式 g(x)=y,すなわち πsinx=y は 0<x<π にちょうど2個の解をもつ。そこで,0<y<π に対して方程式 fj(x)=y の解の個数を Mj(y) とする。j=0 では M0(y)=1 であり,fj+1(x)=y は fj(x) が g(u)=y の2つの解のどちらかに等しいことと同値である。帰納的に Mj(y)=2j がすべての 0<y<π で成り立つ。
特に,Nj を方程式 fj(x)=2π (0<x<π) の解の個数とすると,Nj=2j である。
一方,fn′(x) はπcosfn−1(x), πcosfn−2(x), …, πcosf1(x), πcosxをすべて掛けた形になる。したがって fn′(x)=0 となるのは,ある j=0,1,…,n−1 について fj(x)=2π となるときである。
これらの解は重複しない。実際,fj(x)=2π ならば fj+1(x)=π,さらに fj+2(x)=0 で,それ以後も値は0であるから,別の段階で再び 2π にはならない。
また,最初に fj(x)=2π となる点では,fj はその値を通過し,fj+1=πsinfj はその点で極大値 π をとる。さらに合成を続ける場合は,次の関数で値0の極小となり,その後も極小として残る。したがって数えた点はすべて fn の極値を与える。
よって求める個数は
N0+N1+⋯+Nn−1=1+2+⋯+2n−1=2n−1
である。