東京工業大学 2009年度
AO・理系数学 第3問
- 試験区分
- AO入試
- 対象
- 全類
- 分野
- 積分、関数、数列
- 解法
- 不等式評価、範囲評価、はさみうち、定積分評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 4 / 10 目安 18分
問題
自然数 n に対し,第一象限において不等式
nx≧y≧xn+21xn−1+31xn−2+⋯+n1x+n+11
の表す領域の面積を S(n) とする。極限値 limn→∞n1S(n) を求めよ。
出典:東京工業大学 2009年度 AO入試 AO・理系 第3問
方針
下側の関数を Fn(x) とおく。上からは,領域が x=1+ε より右へは出ないことを xn>nx で示し,面積を三角形で押さえる。下からは 0≦x≦1 で Fn(x)≦1+21+⋯+n+11 を用い,x がごく小さい部分を除いた 0≦x≦1 の帯を領域に含める。最後にはさみうちで極限を求める。
解答
Fn(x)=xn+21xn−1+31xn−2+⋯+n1x+n+11とおく。
まず上から評価する。任意の正の数 ε を固定する。十分大きい n では (1+ε)n−1>n である。したがって x≧1+ε ならばxn=x⋅xn−1≧x(1+ε)n−1>nxとなる。ゆえに,十分大きい n では領域は 0≦x<1+ε に含まれる。よって
S(n)≦∫01+εnxdx=2n(1+ε)2
である。任意の正の数 η に対し,ε を十分小さくとれば 2(1+ε)2<21+η である。よって,十分大きい n ではnS(n)<21+ηである。
次に下から評価する。0≦x≦1 ではFn(x)≦Hn,Hn=1+21+⋯+n+11である。ここで Hn≦1+log(n+1) なので nHn→0 である。an=nHn とおくと,an→0 であり,an≦x≦1 では nx≧Hn≧Fn(x) となる。したがってこの範囲は領域に含まれ,
S(n)≧∫an1{nx−Fn(x)}dx≧n∫an1xdx−Hn
である。両辺を n で割るとnS(n)≧21−an2−nHnとなる。右辺は 21 に収束するので,任意の正の数 η に対し,十分大きい n ではnS(n)>21−ηである。
以上より,任意の正の数 η に対して,十分大きい n では 21−η<nS(n)<21+η が成り立つ。したがって
n→∞limnS(n)=21
である。