問題
平面上を半径 の 個の円板が下記の条件 (a) と (b) を満たしながら動くとき,これら 個の円板の和集合の面積 の最大値を求めよ。
(a) 個の円板の中心はいずれも定点 を中心とする半径 の円周上にある。
(b) 個の円板すべてが共有する点は のみである。
出典:東京工業大学 2006年度 前期 理系 第3問
方針
点 を原点とし,各円板の中心方向を角度で表す。中心方向の隣り合う角の差を とすると,共通部分が だけである条件は である。隣り合う中心方向の間では,和集合の境界は近い方の円板の境界で決まるので,角の差 が面積に与える寄与を として求める。最後に を最大化する。
解答
点 を原点とし,円板の中心方向を円周上の角で表す。中心が方向 にある円板を考える。点 から角 の方向に距離 だけ進んだ点がこの円板に入る条件は である。したがって のとき,その方向で円板が占める長さは である。
3つの中心方向を円周上の順に取り,隣り合う角の差を とする。ここで である。もしある角の差が より大きいなら,3つの中心方向は長さ 未満の弧に入るので,その弧の中央方向へ から少し進んだ点も3つの円板すべてに入ってしまう。逆に なら,どの方向にも少なくとも1つの中心方向となす角が 以上の円板があり, 以外の共通点はない。よって条件 (b) は と同値である。
隣り合う中心方向の角の差を,例えば とする。この間の方向では,近い方の中心の円板が和集合の外側境界を与える。したがってこの角の間の面積は
である。同様にして
である。
のうち2つの和を一定にして平均に置き換えると,例えば
であるから,和は小さくならない。これを繰り返すと,最大はのときに起こる。したがって
である。