東京工業大学 2004年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全類
- 分野
- 三角関数、積分、論証・証明
- 解法
- 定積分評価、置換積分、はさみうち、微積分の対称性、誘導利用
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
次の問いに答えよ。
(1) f(x),g(x) を連続な偶関数,m を正の整数とするとき,∫0mπf(sinx)g(cosx)dx=m∫0πf(sinx)g(cosx)dxを証明せよ。
(2) 正の整数 m,n が mπ≦n<(m+1)π を満たしているとき,
(m+1)πm∫0π(1+cos2x)2sinxdx≦∫01(1+cos2nx)2∣sinnx∣dx≦mπm+1∫0π(1+cos2x)2sinxdx
を証明せよ。
(3) 極限値 n→∞lim∫01(1+cos2nx)2∣sinnx∣dx を求めよ。
出典:東京工業大学 2004年度 前期 理系 第2問
方針
(1)は f と g が偶関数であることから被積分関数の周期が π になることを示す。(2)は t=nx と置換して,非負な π 周期関数の積分を m 周期分と m+1 周期分で挟む。(3)は(2)の不等式ではさみうちを行い,残った1周期分の積分を u=cosx,さらに u=tanθ で計算する。
解答
(1)
H(x)=f(sinx)g(cosx) とおく。f,g は偶関数であるからH(x+π)=f(−sinx)g(−cosx)=H(x)である。よって H(x) は周期 π をもつ。したがって
∫0mπH(x)dx=j=0∑m−1∫jπ(j+1)πH(x)dx=m∫0πH(x)dx
であり,求める等式が成り立つ。
(2)
H(x)=(1+cos2x)2∣sinx∣,A=∫0πH(x)dx とおく。H(x) は非負で周期 π をもつ。t=nx と置換すると
∫01(1+cos2nx)2∣sinnx∣dx=n1∫0nH(t)dt
である。mπ≦n<(m+1)π と H(t)≧0 よりmA≦∫0nH(t)dt≦(m+1)Aである。これを n で割り,さらに n<(m+1)π,n≧mπ を用いると
(m+1)πmA≦nmA≦n1∫0nH(t)dt≦nm+1A≦mπm+1A
となる。これは示すべき不等式である。
(3)
n に対して mπ≦n<(m+1)π となる整数 m を取ると,n→∞ のとき m→∞ である。(2)より,求める極限は A/π である。
ここで
A=∫0π(1+cos2x)2sinxdx=∫−11(1+u2)2du=2∫01(1+u2)2du
である。さらに u=tanθ とおくと
2∫01(1+u2)2du=2∫0π/4cos2θdθ=4π+21
である。したがって求める極限値は πA=41+2π1 である。