問題
空間内の動点 を考える。 は の部分では最大秒速 メートルで, の部分では最大秒速1メートルで動けるものとする。 がはじめに原点 にあるとき,その1秒後までに が到達し得る範囲の体積を求めよ。ただし, とする。
方針
回転対称性により,到達点を とおいて考える。 では半径 の下半球になる。 では,まず 上を速さ で水平に進み,その後速さ1で点に向かう形が最短になるので,水平に進む距離を として所要時間を最小化する。得られた各高さ での到達可能半径を積分し,下半球の体積と合わせる。
解答
点の 平面への距離を とする。 にある点については,速さ でまっすぐ進むのが最短であるから,到達範囲は , である。したがってこの部分の体積は である。
次に の点を考える。回転対称性により到達点を としてよい。 上は に含まれるので,速さ で進める。境界上を距離 だけ進んでから,残りを速さ1で進むときの所要時間は である。この形が候補にとどまらないことを確認する。任意の経路について,最後に を離れる点の原点からの距離を とする。その点までの時間は水平変位だけを見ても少なくとも である。さらに,その点から到達点までの距離は,到達点の真下と同じ半直線上にある場合に最小でも であり,速さ1以下なので少なくともこの時間がかかる。逆に 上を距離 だけ進み,そこから直線で到達点へ進めばこの下限を達成できる。
とおく。 を最小にする内点があるとき, であり,このときの最小時間は である。一方, のときは が最小で,最小時間は である。
したがって高さ における到達可能半径は, では , では である。よって の部分の体積は
である。
以上より,求める体積は
である。