東京工業大学 2000年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全類
- 分野
- 複素数平面、数列、方程式・不等式
- 解法
- 複素数の極形式、和の計算、不等式評価、誘導利用
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 15分
問題
(1) 極座標表示された複素数 z=r(cosθ+isinθ) が z+21<21 を満たすための必要十分条件を r と θ を用いて表せ。
(2) n を自然数とするとき,∣1+z+⋯+zn∣2 を r,θ,n を用いて表せ。
(3) 複素数 z が z+21<21 を満たすならば,すべての自然数 n に対し ∣1+z+⋯+zn∣<1 が成り立つことを示せ。
出典:東京工業大学 2000年度 前期 理系 第2問
方針
(1)は両辺を2乗して r と cosθ の不等式に直す。(2)は等比数列の和を使い,分子分母の絶対値を極形式で計算する。(3)は (1) から 0<r<1 かつ −cosθ>r を得て,∣1−z∣ と ∣1−zn+1∣ を比較する。
解答
(1)
条件を2乗するとr2+rcosθ+41<41である。したがって r(r+cosθ)<0 である。極座標表示では r≧0 であり,r=0 はもとの不等式を満たさない。よって必要十分条件は0<r<−cosθである。
(2)
z=1 のとき,等比数列の和より1+z+⋯+zn=1−z1−zn+1である。したがって
∣1+z+⋯+zn∣2=1−2rcosθ+r21−2rn+1cos((n+1)θ)+r2n+2
である。なお z=1 のときは ∣1+z+⋯+zn∣2=(n+1)2 である。
(3)
(1)より 0<r<−cosθ であるから,特に 0<r<1 かつ −cosθ>r である。よって∣1−z∣2=1−2rcosθ+r2>1+3r2である。
一方,n≧1 で 0<r<1 だから∣1−zn+1∣≦1+rn+1≦1+r2であり,(1+r2)2=1+2r2+r4<1+3r2 である。したがって ∣1−zn+1∣<∣1−z∣ である。
この領域では z=1 なので,(2)の和の式から∣1+z+⋯+zn∣=∣1−z∣∣1−zn+1∣<1となる。