東京工業大学 1998年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全類
- 分野
- 関数、数列、積分
- 解法
- 漸化式の変形、置換、極限計算、定積分評価、場合分け
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
(1) f(x)=x2x−1 とし,t を実数とする。すべての自然数 n に対し実数 fn(t) が fn(t)=f(fn−1(t)),n=1,2,3,…,ただし f0(t)=t によって帰納的に定義できるための t の条件を求めよ。
(2) a≧1 に対して,極限値 n→∞limn2∫aa+1/n(fn(t)−1)dt を求めよ。
出典:東京工業大学 1998年度 前期 理系 第3問
方針
un=fn(t)−1 とおくと,un=un−1/(1+un−1) となる。un=0 の範囲では逆数が等差数列になるので,一般項から分母が0になる初期値を除く。(2)では a≧1 なので反復は問題なく定義され,fn(t)−1=(t−1)/(1+n(t−1)) を直接積分する。a=1 のときだけ積分区間が特異な初期点から始まるため,a=1 と a>1 で極限が分かれる。
解答
(1)
un=fn(t)−1 とおく。un−1=−1 のときun=1+un−1un−1である。t=1 のときは u0=0 で,すべての n について fn(t)=1 となり定義できる。
t=1 のとき,定義できる範囲で逆数をとるとun1=un−11+1であるから,帰納的にuk=1+k(t−1)t−1を得る。次の段階で定義できなくなるのは fk(t)=0,すなわち uk=−1 となるときである。これは1+k(t−1)t−1=−1と同値で,t=1−1/(k+1) である。
したがって求める条件はt=1−m1(m=1,2,3,…)である。なお t=1 はこの除外集合に含まれず,実際に定義できる。
(2)
t≧1 では (1) の除外値に当たらないので,fn(t)−1=1+n(t−1)t−1を用いてよい。c=a−1 とおくと
∫aa+1/n(fn(t)−1)dt=∫cc+1/n1+nuudu=n21{1−lognc+1nc+2}
である。
よって a=1,すなわち c=0 のとき極限値は 1−log2 である。一方,a>1 なら (nc+2)/(nc+1)→1 であるから極限値は 1 である。したがって
n→∞limn2∫aa+1/n(fn(t)−1)dt={1−log21(a=1),(a>1)
である。