東京工業大学 1996年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全類
- 分野
- 微分、関数、図形と方程式
- 解法
- 接線・法線、微分による最大最小、増減表、置換、必要十分条件
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25分
問題
関数 f(x) は微分可能で次の(イ),(ロ),(ハ)を満たすものとする。
(イ) x≧0 のとき f′(x)>0。
(ロ) f(0)=a (a>1)。
(ハ) 曲線 y=f(x) 上の点 P(t,f(t)) (t≧0) における接線と x 軸との交点を Q,法線と x 軸との交点を R としたとき,線分 QR の長さ F(t) は関係式 f(t)F(t)=f′(t)f(t) を満たす。
このとき次の問いに答えよ。
(1) x>0 で f′(x) は単調増加で,h>0 に対し f(x+h)−f(x)≧a−1h を満たすことを示せ。
(2) 点 P が曲線 y=f(x) (x≧0) 上を動くとき F(t) の最小値を求めよ。
出典:東京工業大学 1996年度 前期 理系 第4問
方針
接線・法線の x 軸との交点の x 座標を,y=f(t),m=f′(t) で表す。条件(ハ)から f(t)=f′(t)2+1 を導き,これにより f′(x)=f(x)−1 と分かる。(1)はこの関係から単調性と平均値の定理で示す。(2)は u=f′(t) とおいて F(t)=(u2+1)2/u の u≧a−1 における最小値を調べる。
解答
点 P(t,f(t)) において y=f(t),m=f′(t) とおく。条件より y>0, m>0 である。接線の方程式は Y−y=m(X−t) であるから,x 軸との交点は Q(t−y/m,0) である。法線の方程式は Y−y=−(X−t)/m であるから,x 軸との交点は R(t+my,0) である。
したがって F(t)=y(m+1/m) である。条件(ハ)よりm+m1=myであるから,f(t)=f′(t)2+1 を得る。
(1)
上の関係と f′(x)>0 より,すべての x≧0 でf′(x)=f(x)−1である。f′(x)>0 だから f(x) は x≧0 で単調増加であり,したがって f′(x)=f(x)−1 も x>0 で単調増加である。また f′(0)=a−1 である。
h>0 とする。平均値の定理により,ある c (x<c<x+h) が存在してf(x+h)−f(x)=f′(c)hとなる。c>0 であり,f′ は単調増加だから f′(c)≧f′(0)=a−1 である。よって f(x+h)−f(x)≧a−1h である。
(2)
g(x)=f(x)−1 とおく。f(x)≧a>1 であり,f は微分可能だから g も微分可能である。また上で得た関係より g(x)=f′(x) である。合成関数の微分により g′(x)=2f(x)−1f′(x)=1/2 となる。したがってf′(t)=g(t)=a−1+2tである。
u=f′(t) とおくと,u≧a−1 であり,
F(t)=f(t)(u+u1)=(u2+1)(u+u1)=u(u2+1)2
である。いまu(u2+1)2=u3+2u+u1であり,その増減は3u2+2−u21=u2(3u2−1)(u2+1)の符号で決まる。したがって 0<u<1/3 で減少し,u>1/3 で増加する。
よって最小値は
⎩⎨⎧9163,a−1a2,1<a≦34,a>34
である。前者は u=1/3,すなわち t=2(1/3−a−1) で達し,後者は t=0 で達する。