東京工業大学 1996年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 全類
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、図形と方程式、三角関数
- 解法
- 座標設定、図形的解釈、恒等式比較、回転・拡大、計算整理
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 18分
問題
p=cosθ (0<θ<π/2) とし,q,r,s を正数とする。また,行列 A を A=(pr−qs) とする。A で表される1次変換により,楕円 C:a2x2+b2y2=1 (a,b>0) 上の点は C 上の点にうつるものとする。このとき次の問いに答えよ。
(1) 行列 A を θ,a,b を用いて表せ。
(2) 自然数 n に対し An を求めよ。
出典:東京工業大学 1996年度 前期 理系 第2問
方針
楕円を x=aX, y=bY により単位円 X2+Y2=1 に直す。正規化後の1次変換が単位円周を単位円周へ移すことから,係数に関する3つの関係式を得る。p=cosθ と q,r,s>0 により回転角 θ の形に決まり,An は正規化座標で回転を n 回繰り返したものとして求める。
解答
(1)
x=aX, y=bY とおくと,楕円 C は X2+Y2=1 となる。変換後の点を同じく正規化して (X′,Y′) と書くと,
X′=pX−abqY,Y′=barX+sY
である。
λ=bq/a, μ=ar/b とおく。すべての X2+Y2=1 に対して X′2+Y′2=1 であるから,(X,Y)=(1,0),(0,1) および (1/2,±1/2) を代入して比較すると,
p2+μ2=1,λ2+s2=1,−pλ+μs=0
を得る。
p=cosθ かつ 0<θ<π/2,μ>0 より μ=sinθ である。また λ>0, s>0 であり,sinθs=cosθλ だから,λ=sinθ, s=cosθ である。したがって
A=cosθabsinθ−basinθcosθ
である。
(2)
正規化した座標では,この変換は
(X′Y′)=(cosθsinθ−sinθcosθ)(XY)
である。加法定理より,これを n 回繰り返すと角は nθ になる。元の (x,y) 座標へ戻すと
An=cosnθabsinnθ−basinnθcosnθ
である。