東京工業大学 1981年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程
- 対象
- 全学
- 分野
- 積分、三角関数、方程式・不等式
- 解法
- 定積分評価、絶対値の処理、場合分け、不等式評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 15分
問題
区間 0<t≦1 において F(t)=t1∫02πt∣cos2x∣dx とおく。
(1) limt→0F(t) を求めよ。
(2) F(t)≧1 となる t の範囲を求めよ。
出典:東京工業大学 1981年度 前期日程 理系 第4問
方針
積分区間で cos2x の符号が変わるのは x=π/4 である。したがって 0<t≦1/2 と 1/2≦t≦1 に分けて F(t) を明示する。(1)は小さい t での式から求める。(2)は sin のグラフが [0,π/2] で弦より上にあることを使い,等号の場合を落とさないように調べる。
解答
(1)
0<t<1/2 では 0≦x≦πt/2<π/4 だから cos2x≧0 である。よって
F(t)=t1∫02πtcos2xdx=2tsinπt.
したがって limt→0F(t)=limt→02tsinπt=2π である。
(2)
まず 0<t≦1/2 のとき,(1)と同じ計算により F(t)=sinπt/(2t) である。0≦u≦π/2 では sinu のグラフは弦 y=2u/π 以上にあるから,u=πt として sinπt≧2t である。よって 0<t≦1/2 では F(t)≧1 である。
次に 1/2≦t≦1 とする。このとき
∫02πt∣cos2x∣dx=∫04πcos2xdx−∫4π2πtcos2xdx=1−21sinπt
である。したがって F(t)≧1 は 1−21sinπt≧t,すなわち sinπt≦2(1−t) と同値である。s=1−t とおくと 0≦s≦1/2 で,この条件は sinπs≦2s となる。先ほどの弦の不等式より 0<s<1/2 では sinπs>2s であり,等号は s=0,1/2 のときだけである。したがって 1/2≦t≦1 では t=1/2,1 のみが条件を満たす。
以上より,求める範囲は 0<t≦1/2 または t=1 である。