東京工業大学 1981年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程
- 対象
- 全学
- 分野
- 数列、数と式、整数
- 解法
- 漸化式の変形、範囲評価、必要十分条件
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 15分
問題
α は 0<α<1 を満たす実数とする。任意の自然数 n に対して,2n−1α の整数部分を an とし,2n−1α=an+bn とおくと,n が奇数のとき 0≦bn<21,n が偶数のとき 21<bn<1 になるという。an および α を求めよ。
出典:東京工業大学 1981年度 前期日程 理系 第1問
方針
bn は 2n−1α の小数部分である。bn+1 は 2bn の小数部分になるので,奇数番から偶数番,偶数番から奇数番への移り方を式にする。奇数番だけを取り出すと一次漸化式になり,指定された範囲に全項が入る条件から初項を一意に定める。最後に α=1/3 が条件を満たすことと an の式を確認する。
解答
2n−1α=an+bn で an は整数,0≦bn<1 である。したがって 2nα=2an+2bn より,bn+1 は 2bn の小数部分である。
n が奇数のときは 0≦bn<1/2 であるから bn+1=2bn である。さらに n+1 は偶数なので bn+1>1/2 であり,bn>1/4 も従う。次に n+1 は偶数だから 1/2<bn+1<1 であり,bn+2=2bn+1−1 である。ゆえに,奇数 n について bn+2=4bn−1 が成り立つ。
ck=b2k−1 とおくと,すべての自然数 k について 1/4<ck<1/2 であり,ck+1=4ck−1 である。ここで dk=ck−1/3 とおけば dk+1=4dk,すなわち dk=4k−1d1 である。一方,1/4<ck<1/2 より −1/12<dk<1/6 がすべての k で成り立つ。もし d1>0 なら十分大きい k で dk≧1/6 となり矛盾する。もし d1<0 なら十分大きい k で dk≦−1/12 となり矛盾する。したがって d1=0 であり,α=b1=c1=1/3 である。
このとき 2n−1α=2n−1/3 である。n が奇数なら 2n−1 は 3 で割ると余り 1 なので,2n−1−1 は 3 で割り切れる。したがって an=32n−1−1,bn=31 である。n が偶数なら 2n−1 は 3 で割ると余り 2 なので,2n−1−2 は 3 で割り切れる。したがって an=32n−1−2,bn=32 である。以上は指定された大小条件を満たす。よって
α=31,an=⎩⎨⎧32n−1−132n−1−2(n が奇数),(n が偶数)
である。