大阪大学 2022年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 関数、指数・対数、数列
- 解法
- 一意性証明、平均値の定理、はさみうち
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 22分
問題
f(x)=log(x+1)+1とする.以下の問いに答えよ.
(1) 方程式f(x)=xは,x>0の範囲でただ1つの解をもつことを示せ.
(2) (1)の解をαとする.実数xが0<x<αを満たすならば,次の不等式が成り立つことを示せ.
0<α−xα−f(x)<f′(x)
(3) 数列{xn}を
x1=1,xn+1=f(xn)(n=1,2,3,⋯)
で定める.このとき,すべての自然数nに対して,
α−xn+1<21(α−xn)
が成り立つことを示せ.
(4) (3)の数列{xn}について,n→∞limxn=αを示せ.
出典:大阪大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問
方針
h(x)=f(x)−x とおき,h′(x)<0 から固定点の一意性を示す。2 は f(α)=α と平均値の定理を使い,f′(x)=1/(x+1) が減少関数であることから,割線の傾きが f′(x) より小さいことを示す。3 ではまず 0<xn<α と xn≧1 を帰納的に確認し,2 を x=xn に適用して誤差 α−xn が半分未満に縮むことを示す。4 はこの誤差評価を反復してはさみうちで収束を示す。
解答
(1)
h(x)=f(x)−x=log(x+1)+1−x とおく。x>0 で h′(x)=x+11−1=−x+1x<0 であるから,h(x) は x>0 で狭義減少する。
また limx→0+h(x)=1>0 である。一方,例えば e2>4 より log4<2 だから h(3)=log4+1−3=log4−2<0 である。したがって中間値の定理より,h(x)=0 となる正の実数が存在する。さらに h は狭義減少なので,その解はただ1つである。よって方程式 f(x)=x は x>0 の範囲でただ1つの解をもつ。
(2)
0<x<α とする。f は増加関数であり,f(α)=α だから f(x)<f(α)=α である。よって 0<α−f(x) であり,α−x>0 と合わせて 0<α−xα−f(x) である。
また,平均値の定理より,ある c が x<c<α を満たし α−xf(α)−f(x)=f′(c) となる。ここで f′(u)=u+11 は減少関数であり,x<c だから f′(c)<f′(x) である。したがって 0<α−xα−f(x)<f′(x) が成り立つ。
(3)
まず x1=1 が 0<x1<α を満たすことを示す。h(1)=log2>0 であり,h は狭義減少してただ1つの零点を α にもつので 1<α である。よって 0<x1<α である。 0<xn<α と仮定すると,f は増加関数なので 0<f(0)=1<xn+1=f(xn)<f(α)=α である。したがって帰納法により,すべての n で 0<xn<α が成り立つ。
さらに,xn<α では h(xn)>0 であるから xn+1−xn=f(xn)−xn=h(xn)>0 である。よって数列 {xn} は増加し,特に xn≧x1=1 である。 2 を x=xn に適用すると α−xn+1=α−f(xn)<f′(xn)(α−xn) である。また f′(xn)=xn+11≦21 なので α−xn+1<21(α−xn) である。
(4)
3 の不等式を繰り返すと 0<α−xn<(21)n−1(α−x1) である。右辺は n→∞ で0に近づく。したがってはさみうちにより limn→∞(α−xn)=0 である。ゆえに limn→∞xn=α である。