大阪大学 2018年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、微分、方程式・不等式
- 解法
- 不等式評価、増減表、範囲評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 22〜26分
問題
次の問いに答えよ.
(1) x>0の範囲で不等式
が成り立つことを示せ.
(2) xがx>0の範囲を動くとき,
y=log(1+x)1−x1
のとりうる値の範囲を求めよ.
出典:大阪大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
(1) は左右それぞれとの差を関数として置き、導関数の符号で示す。(2) はまず log(1+x)<x から下限 0 を、log(1+x)>2x/(x+2) から上限 1/2 を得る。最後に x→0+ と x→∞ の極限を確認し、連続性により開区間全体が値域になることを述べる。
解答
(1)
F(x)=log(1+x)−x+2x2 とおく。x>0 で F′(x)=1+x1−1+x=1+xx2>0 であり、F(0)=0 だから F(x)>0 である。よって x−2x2<log(1+x) が成り立つ。
次に G(x)=1+xx−log(1+x) とおく。x>0 で G′(x)=(1+x)3/21+2x−1+x である。ここで 1+x/2>0 であり、(1+2x)2−(1+x)=4x2>0 だから 1+x/2>1+x である。したがって G′(x)>0、また G(0)=0 より G(x)>0 である。ゆえに log(1+x)<1+xx が成り立つ。
(2)
x>0 では log(1+x)<x だから、分母が正であることに注意して log(1+x)1−x1>0 である。
上からの評価を作るため、H(x)=log(1+x)−x+22x とおく。すると H′(x)=1+x1−(x+2)24=(1+x)(x+2)2x2>0 であり、H(0)=0 だから log(1+x)>x+22x である。よって log(1+x)1<2xx+2 となり、log(1+x)1−x1<2xx+2−x1=21 を得る。したがって常に 0<y<21 である。
端の値を確認する。x→0+ では、(1) の左側の不等式と log(1+x)<x から 1−2x<xlog(1+x)<1 なので log(1+x)/x→1 である。また x−log(1+x)=∫0x1+uudu であり、0≦u≦x で 1/(1+x)≦1/(1+u)≦1 だから 2(1+x)x2≦x−log(1+x)≦2x2 である。したがって log(1+x)1−x1=xlog(1+x)x−log(1+x)→21 である。
一方、x→∞ では log(1+x)→∞ かつ x→∞ なので log(1+x)1−x1→0 である。関数 y は x>0 で連続であり、上の2つの極限により 0 と 1/2 にいくらでも近い値をとる。したがって値域は 0<y<21 である。