大阪大学 2015年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、指数・対数、関数
- 解法
- 置換積分、定積分評価、はさみうち
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
自然数nに対して関数fn(x)を
fn(x)=n(1+x)xlog(1+nx)(x≧0)
で定める.以下の問いに答えよ.
(1) ∫0nfn(x)dx≦∫01log(1+x)dxを示せ.
(2) 数列{In}を
In=∫0nfn(x)dx
で定める.0≦x≦1のときlog(1+x)≦log2であることを用いて数列{In}が収束することを示し,その極限値を求めよ.ただし,x→∞limxlogx=0であることは用いてよい.
出典:大阪大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
積分区間が [0,n] のままでは n に依存して扱いにくいので、x=nu と置いて区間を [0,1] に固定する。すると In は 1+nunulog(1+u) の積分になる。(1) は係数 1+nunu≦1 から従う。(2) は固定された極限候補 ∫01log(1+u)du との差を ∫011+nulog(1+u)du と表し、問題文の log(1+u)≦log2 と logx/x→0 で挟み込む。
解答
(1)
x=nu とおくと、x=0 のとき u=0、x=n のとき u=1、また dx=ndu である。したがって
∫0nfn(x)dx=∫01n(1+nu)nulog(1+u)ndu=∫011+nunulog(1+u)du
である。 0≦u≦1 では 0≦1+nunu≦1 であり、また log(1+u)≧0 である。よって 1+nunulog(1+u)≦log(1+u) である。両辺を 0≦u≦1 で積分して ∫0nfn(x)dx≦∫01log(1+x)dx を得る。最後の積分変数は名前を u から x に戻しただけである。
(2)
(1)の置換表示より In=∫011+nunulog(1+u)du である。したがって
∫01log(1+u)du−In=∫01(1−1+nunu)log(1+u)du=∫011+nulog(1+u)du
である。右辺は非負である。
問題文の指示通り、0≦u≦1 で log(1+u)≦log2 を用いると
0≦∫011+nulog(1+u)du≦log2∫011+nudu
である。右端を計算すると
∫011+nudu=[n1log(1+nu)]01=n1log(n+1)
であるから、0≦∫01log(1+u)du−In≦nlog2log(n+1) である。
ここで nlog(n+1)=nn+1⋅n+1log(n+1) であり、問題文で与えられた limx→∞xlogx=0 から nlog(n+1)→0 である。よってはさみうちにより ∫01log(1+u)du−In→0 である。したがって In は収束し、limn→∞In=∫01log(1+u)du である。
最後にこの積分を計算する。v=1+u とおくと ∫01log(1+u)du=∫12logvdv である。部分積分より ∫logvdv=vlogv−v だから ∫12logvdv=(2log2−2)−(1⋅0−1)=2log2−1 である。ゆえに n→∞limIn=2log2−1 である。