大阪大学 1998年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、微分、数列
- 解法
- 不等式評価、微分による最大最小、はさみうち
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 22分
問題
(1) aを1より大きい実数とする.0以上の任意の実数xに対して次の不等式が成り立つことを示せ.
log2+2xloga≦log(1+ax)≦log2+2xloga+8x2(loga)2
ただし,対数は自然対数である.
(2) n=1,2,3,⋯に対して,an=(21+n3)nとおく.(1)の不等式を用いて極限n→∞limanを求めよ.
出典:大阪大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
t=xloga とおいて、問題を log(1+et) の評価に直す。下側は 1+et≧2et/2 から従う。上側は F(t)=log(1+et)−log2−t/2 とおき、F(0)=F′(0)=0、さらに 0≦F′′(t)≦1/4 を使って2回積分する形で F(t)≦t2/8 を示す。(2)では a=3,x=1/n として logan をはさみうちする。
解答
(1)
t=xloga とおく。a>1、x≧0 なので t≧0 である。また ax=et である。
まず下側の不等式を示す。1 と et は正なので 1+et≧2et=2et/2 である。両辺の対数をとると log(1+et)≧log2+2t である。これは log2+2xloga≦log(1+ax) を意味する。
次に上側を示す。 F(t)=log(1+et)−log2−2t とおく。すると F(0)=0 であり、F′(t)=1+etet−21 なので F′(0)=0 である。また F′′(t)=(1+et)2et である。ここで (1+et)2−4et=(et−1)2≧0 より 0<F′′(t)≦41 である。 t≧0 で、F′(0)=0 だから F′(t)=∫0tF′′(u)du≦∫0t41du=4t である。さらに F(0)=0 より F(t)=∫0tF′(v)dv≦∫0t4vdv=8t2 である。したがって log(1+et)≦log2+2t+8t2 である。t=xloga を戻すと log(1+ax)≦log2+2xloga+8x2(loga)2 であり、求める不等式が示された。
(2)
(1)で a=3、x=1/n とする。すると
log2+2nlog3≦log(1+31/n)≦log2+2nlog3+8n2(log3)2
である。各辺から log2 を引くと
2nlog3≦log(21+31/n)≦2nlog3+8n2(log3)2
である。
ここで logan=nlog(21+31/n) だから、上の不等式に n をかけて
2log3≦logan≦2log3+8n(log3)2
を得る。右端と左端は n→∞ でともに log3/2 に近づくので、はさみうちにより limn→∞logan=2log3 である。指数関数は連続なので limn→∞an=e(log3)/2=3 である。