大阪大学 1990年度
文系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- ベクトル、行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)
- 解法
- 回転・拡大、ベクトル成分計算、計算整理
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 15分
問題
座標平面において点(1,0)を原点のまわりに角α,βだけ回転した点をそれぞれP(a,b),Q(c,d)とする.
x′=x−2a(ax+by),y′=y−2b(ax+by)
によって点(x,y)を点(x′,y′)に移す1次変換をfとし
x′′=x−2c(cx+dy),y′′=y−2d(cx+dy)
によって点(x,y)を点(x′′,y′′)に移す1次変換をgとする.
このとき合成変換g∘fは原点のまわりの角2(β−α)の回転であることを示せ.
出典:大阪大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第4問
方針
P=(a,b)=(cosα,sinα)、Q=(c,d)=(cosβ,sinβ) とおき、与えられた変換を行列で表す。f はベクトルから P 方向成分の2倍を引く変換で、行列は三角関数の2倍角で簡単に書ける。g についても同様に行列化し、積 GF を計算して標準的な回転行列 R2(β−α) と一致することを示す。幾何的には、2つの直線対称移動の合成が回転になることも確認できる。
解答
1,0 を原点のまわりに角 α、β だけ回転した点がそれぞれ P,Q なので P=(a,b)=(cosα,sinα),Q=(c,d)=(cosβ,sinβ) である。
まず f の行列を求める。与えられた式は
(x′y′)=(xy)−2(ax+by)(ab)
であるから
F=(1−2a2−2ab−2ab1−2b2)
である。ここに a=cosα、b=sinα を代入すると
F=(−cos2α−sin2α−sin2αcos2α)
となる。
同様に、g の行列は
G=(1−2c2−2cd−2cd1−2d2)=(−cos2β−sin2β−sin2βcos2β)
である。
したがって合成変換 g∘f の行列は GF であり、実際に掛けると
GF=(cos(2β−2α)sin(2β−2α)−sin(2β−2α)cos(2β−2α))
である。これは原点のまわりに角 2β−2α=2(β−α) だけ回転する行列である。よって g∘f は原点のまわりの角 2(β−α) の回転である。
別解。ベクトル X=(x,y) に対して、f は X↦X−2(X⋅P)P である。これは、原点を通り OP に垂直な直線に関する対称移動である。同様に g は、原点を通り OQ に垂直な直線に関する対称移動である。これら2本の対称軸のなす角は β−α であるから、2回の対称移動の合成は原点のまわりの角 2(β−α) の回転になる。