問題
1次変換をと表す.原点を通る直線のによる像をとし,ととが直交するとき,は“性質をもつ”ということにする.
(1) がどのような範囲にあるとき,性質をもつが存在するか.
(2) がどのような値のとき,性質をもつが2本存在して,それらのなす角がになるか.
方針
原点を通る直線の方向ベクトルを と置き、移った直線の方向ベクトルと内積が になる条件を作る。垂直な直線は存在しないので、この置き方で全てを扱える。直交条件は となり、(1)はこの2次方程式の実数解の存在条件である。(2)は2解 に対して、直線のなす角の公式 を使い、解と係数の関係で だけの方程式にする。
解答
原点を通る直線 の方向ベクトルを とする。垂直な直線は方向ベクトル をもつが、このとき移った方向ベクトルは であり、内積は なので直交しない。したがって と置けば十分である。
この方向ベクトルは、一次変換 によって へ移る。直線 と移った直線が直交する条件は である。すなわち だから である。
(1)
性質 をもつ直線が存在するためには、この2次方程式が実数解をもてばよい。判別式は である。したがって が必要十分条件である。これを解くと である。
(2)
性質 をもつ直線が2本あるとき、上の2次方程式は異なる2つの実数解 をもつ。この2本の直線の傾きが である。解と係数の関係より である。また である。
2直線のなす角を とすると である。ここで なので であり、 を得る。なお のときは2直線が直交し、なす角は なので、今回の条件には当たらない。
上の式を整理すると すなわち である。したがって である。これらの値では判別式 は正であり、性質 をもつ直線は確かに2本存在する。
よって求める値は である。