問題
平面における原点を中心とする半径1の円周は鏡になっているものとする.の内部に異なる2点,をとる.右図のように点を出て点を通り,上の点で反射をくり返しながら進む光を考える.ただし,この光はの内部では一定の速さで直進し,に当たったときは反射の法則によって入射角と反射角が等しいように反射するものとする.たとえば,図の点においてはとなる.このとき,次の問に答えよ.
(1) 点,を結ぶ直線と原点との距離を,点,の座標を用いて表せ.
(2) この光がある時間後にふたたび線分上を点から点の向きに進んで行くための必要十分条件は,ある有理数が存在してを満たすことであることを示せ.
方針
反射点を結ぶ弦は中心からの距離 が一定で、中心角 ずつ進む。元の有向弦へ戻る条件を と結び付ける。
解答
(1)
点 を通る直線の方向ベクトルは
である。点 の位置ベクトルとこの方向ベクトルで作る平行四辺形の面積は である。
一方、この面積は でもある。したがって である。
(2)
点 は円の内部にあり、互いに異なるので、直線 は円 と2点で交わる。その2点を、光の進む向きに とする。問題文の最初の反射点は である。以後の反射点を とすれば、光の進路は弦 の列として表される。
円の接線は半径に垂直である。したがって、反射の法則で入射角と反射角が等しいことは、点 で半径 と弦 、 が作る角が等しいことと同じである。すると、三角形 と はともに半径1を2辺にもつ二等辺三角形で、頂点 における半径との角が等しい。よって対応する中心角も等しく、すべての弦 は原点から同じ距離にある。
初めの弦 は直線 上にあるので、その原点からの距離は である。よってすべての弦 も原点から距離 にある。
ここで であるから、ただ1つの が を満たす。半径1の円で、中心から距離 にある弦の中心角は である。したがって、反射点を円周上の向きに沿って見れば、点 の偏角は毎回 ずつ進む。
光がある時間後にふたたび線分 上を から の向きに進むことは、ある正の整数 について、弦 が初めの弦 と同じ向きで一致することと同値である。偏角でいえば、これは を満たす整数 が存在することと同値である。すなわち が有理数であることと同値である。
したがって、光が元の向きで線分 上を進むためには、ある有理数 が存在して すなわち でなければならない。
逆に、ある有理数 について と書けるとする。 なので、必要なら を取り直して としてよい。 と表せば、 について が成り立つ。よって 回分だけ弦を進めると、弦 は初めの弦 と同じ向きで一致する。したがって光は再び線分 上を から の向きに進む。
以上より、求める必要十分条件は である。