問題
赤と白のランプが一つずつある.それぞれのランプは,1秒ごとにある規則にしたがって点灯または消灯し,1秒間その状態を保持する.時刻0秒から実験を開始する.以下,,は0以上の整数とする.
(1) 両方のランプとも,以下の規則,にしたがうとする.
: 時刻秒からの1秒間に点灯している場合,時刻秒で消灯する確率はである.
: 時刻秒からの1秒間に消灯している場合,時刻秒で点灯する確率はである.
時刻0秒からの1秒間,白は消灯,赤は点灯しているとする.このとき,つぎの各問に答えよ.
(a) 時刻秒からの1秒間に白のランプが点灯している確率を求めよ.
(b) 時刻秒からの1秒間に少なくとも一方のランプが点灯している確率を求めよ.
(2) つぎに,規則を以下の,,のように変更した.
: 時刻秒からの1秒間,両方が消灯している場合には,時刻秒ではどちらか一方が点灯する.白が点灯する確率はである.
: 時刻秒からの1秒間,どちらか一方だけが点灯している場合には,時刻秒で残りのランプが点灯するか,あるいは,点灯しているランプが消灯する.残りのランプが点灯する確率はである.
: 時刻秒からの1秒間,両方が点灯している場合には,時刻秒ではどちらか一方が消灯する.赤が消灯する確率はである.
時刻0秒からの1秒間,白は消灯,赤は点灯しているとする.このとき,つぎの各問に答えよ.
(a) 時刻秒からの1秒間に白のランプが点灯している確率を求めよ.
(b) 時刻秒からの1秒間に少なくとも一方のランプが点灯している確率を求めよ.
方針
(1) は各ランプを独立な2状態のマルコフ過程として扱う。1秒後に状態が反転する確率が なので、点灯確率 は を満たす。白は消灯から、赤は点灯から始まるため、それぞれの点灯・消灯確率を求めて「少なくとも一方が点灯」の余事象を計算する。(2) は2つのランプ全体の状態を、点灯している個数とどちらが点灯しているかで追う。偶数秒後と奇数秒後で取り得る状態が交互に変わることを利用する。
解答
(1) 1個のランプについて、 秒後に点灯している確率を とする。1秒後には、点灯していれば確率 で消灯し、消灯していれば確率 で点灯するから である。
白ランプは最初消灯しているので であり、 である。したがって白ランプが消灯している確率は である。
赤ランプは最初点灯しているので であり、 である。したがって赤ランプが消灯している確率は である。
2つのランプの動きは独立であるから、両方とも消灯している確率は
である。よって少なくとも一方が点灯している確率は である。
(2) 点灯しているランプの状態を追う。初めは赤だけが点灯している。
まず、どちらも消灯している状態からは、1秒後に白だけ点灯する確率が 、赤だけ点灯する確率が である。また、ちょうど一方だけ点灯している状態からは、残りのランプが点灯する確率が なので、1秒後には両方点灯する確率が 、両方消灯する確率が である。さらに、両方点灯している状態からは、赤が消灯する確率が なので白だけ点灯し、白が消灯する確率が なので赤だけ点灯する。
したがって状態の型は と1秒ごとに交互に変わる。初めは一方だけ点灯しているので、 が偶数のときは必ず一方だけ点灯している。よって、このとき少なくとも一方が点灯している確率は である。
次に が奇数のときを考える。このとき状態は「両方点灯」または「両方消灯」である。ちょうど一方だけ点灯している状態から次に両方点灯へ移る確率は常に であるから、奇数秒後に両方点灯している確率は である。奇数秒後には、少なくとも一方が点灯していることと両方点灯していることは同じなので、確率は である。
以上より、(2) の答えは
である。