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名古屋大学 2000年度
後期・理系数学 後期第2問

問題

に対して,複素数から新しい複素数をつぎのように定義する.

ここで,は複素数に共役な複素数を表し,実数はそれぞれとする.
複素数の絶対値が1であるとして,つぎの問に答えよ.

(1) の実数倍になるようなが存在することを示せ.

(2) (1)の条件を満たすどのに対しても,となるの範囲をで表せ.

出典:名古屋大学 2000年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期第2問

方針

なので とおく。 の実数倍になる条件は、ある実数 と書けること、すなわち である。これは中心 、半径 の円と原点を通る直線の交点の存在で示せる。(2)では可能な倍率 の2根がすべて である条件を、2次方程式 から求める。

解答

(1)

なので とおく。すると であり、

である。 の実数倍であるとは、ある実数 に対して となることである。上の式から、これは すなわち と同値である。

左辺 は、 が動くと中心 、半径 の円周を動く。 なので、この円は原点を内部に含む。したがって原点を通り偏角 の方向をもつ直線とこの円は2点で交わる。交点に対応する を取れば、上の等式を満たす実数 が存在する。よってそのような は存在する。

(2)

(1)の条件を満たす について と書ける。 は実数である。このとき において、もし なら が実数であることから となる。したがって である。よって となるための必要十分条件は、(1)で可能なすべての について である。 を満たすので である。これを2乗すると より である。したがって可能な の2つである。

この2つがともに絶対値 未満であるためには かつ である。すなわち が必要十分である。両辺は正でなければならないので、特に である。両辺を2乗して となる。 を用いて整理すると である。

もともと であるから、求める範囲は である。ただしこの範囲が空でないためには が必要である。 のときは条件を満たす は存在しない。