名古屋大学 1995年度
文系数学 第3問(b)
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)
- 解法
- 式変形、場合分け、帰納的定義の利用
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18〜22分
問題
2次の行列A=(1baab)が条件:A2(1−1)=(00)を満たしているとする.
(1) A(1−1)=(00)ならば,A2=Oであることを示せ.(ただし,Oは零行列)
(2) A(1−1)=(00)かつA3−4A=Oであるとき,A,A2を求めよ.
出典:名古屋大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問(b)
方針
行列 A は列ベクトル (1b) と行ベクトル (1a) の積として見られるため,A2=(1+ab)A が成り立つ。さらに A(1−1) も直接計算し,条件を (1−a)(1+ab)=0 に落とす。(1) は a=1 側,(2) は a=1 側として分け,A3−4A=O から b を決める。
解答
まず
A=(1b)(1a)
と書ける。したがって
A2=(1b)(1a)(1b)(1a)=(1+ab)A
である。また
A(1−1)=(1−ab−ab)=(1−a)(1b)
である。よって
A2(1−1)=(1+ab)(1−a)(1b)
となる。列ベクトル (1b) は零ベクトルではないので,問題の条件は (1−a)(1+ab)=0 と同値である。
(1)
A(1−1)=(00)
ならば,上で得た式より a=1 である。したがって条件 (1−a)(1+ab)=0 から 1+ab=0 が従う。ゆえに A2=(1+ab)A=O である。
(2)
A(1−1)=(00)
より 1−a=0 であるから a=1 である。このとき
A=(1b1b),A2=(1+b)A
である。さらに A3=(1+b)A2=(1+b)2A なので A3−4A={(1+b)2−4}A である。ここで A は左上成分が1であるから零行列ではない。したがって (1+b)2−4=0 となる。よって 1+b=2,1+b=−2 から b=1,b=−3 である。 b=1 のとき
A=(1111),A2=2A=(2222)
である。b=−3 のとき
A=(1−31−3),A2=−2A=(−26−26)
である。以上が求める A,A2 である。