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名古屋大学 1994年度
後期・理系数学 後期第1問

問題

空間内に,平面

と点を考える.以下の各問に答えよ.なお,点平面への正射影とは,点平面への垂線の足をいう.ベクトル平面への正射影とは,ベクトルの始点と終点それぞれの平面への正射影を始点,終点とするベクトルをいう.

(1) 軸,軸,軸方向の単位ベクトル(原点を始点とする)をそれぞれとし,それらの平面への正射影を求めよ.また,ベクトル相互の角度を求めよ.

(2) 点平面への正射影をとする.を満足する時,点のとりうる平面上の領域を,ベクトルを含む軸,軸,軸とともに,図示せよ.

(3) 3つの値のうち最大値と最小値との差が一定値 をとるように点が動くとき,点が動く軌跡を平面上に図示せよ.また,その軌跡の長さを求めよ.

出典:名古屋大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期第1問

方針

平面の法線方向はである。したがって正射影は,点またはベクトルから法線方向の成分を引いて求める。(1)ではを成分で出し,長さと内積から相互の角度を求める。(2)ではを使い,を非負係数の組に直して扇形領域を得る。(3)では最大値と最小値の差だけが問題なので,3つの値から同じ数を引いて,最小を,最大をに直す。すると軌跡は6本の線分からなる正六角形になる。

解答

(1)

平面はであり,その法線方向はである。点から平面への正射影は で与えられる。

よって

である。

これらの長さはすべて

である。また,異なる2つの内積は,例えば

である。したがってなす角 を満たすので である。

(2)

の正射影について

である。また

である。 のとき,

と書ける。ここでである。したがってのとりうる領域は,の方向の半直線との方向の半直線にはさまれた領域である。 のなす角はであるから,図示すべき領域は,軸の正方向と軸の負方向にはさまれたの扇形領域である。境界も含む。

(3)

に同じ数を加えても,は変わらない。実際,

だからである。したがって,最大値と最小値の差だけを見るときは,最小値を,最大値をとして考えてよい。

たとえばとすると,

であり,これはからまでの線分を動く。同様に,どの座標が最大でどの座標が最小かを入れ替えると,軌跡は

を頂点とする正六角形の周である。

隣り合う頂点,たとえばの距離は

である。よって軌跡の長さは である。