名古屋大学 1985年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、数と式
- 解法
- 式変形、不等式評価、漸化式の変形
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 26〜36分
問題
実数a,bに対して行列A,Bを次のように定める.
A=a−21b−b25−a,B=(0110)A(0110)
(1) aをどのように与えても,それに対して,B=A−1が成り立つように実数bを選ぶことが可能であることを示せ.
(2) bを(1)のように選んだとき,(A+A−1)2+(A+A−1)を求め,A5=(1001)を示せ.
出典:名古屋大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
B=A−1 を detA=1 に帰着し、A+A−1=λI、λ2+λ=1 から A5=I を導く。
解答
{(1)与えられた行列は
である。問題で定めた
B=(0110)A(0110)
を計算すると
である。これは A の逆行列の公式で現れる行列である。
実際,detA=(a−21)(25−a)+b2 であり,detA=1 なら
となる。したがって (a−21)(25−a)+b2=1 となるように b を選べばよい。
すなわち b2=1−(a−21)(25−a) とすればよい。ここで X=a−21,Y=25−a とおくと X+Y=25−1 である。和が一定の2数の積は,2数が等しいとき最大になるので XY≦4(X+Y)2=16(5−1)2<1 である。よって 1−XY>0 であり,任意の実数 a に対して実数 b を選ぶことができる。
(2)
(1) のように b を選ぶと B=A−1 である。したがって A+A−1=A+B であり,成分を足すと
である。ここで λ=25−1 とおくと A+A−1=λI である。また λ2+λ=1 が成り立つ。よって (A+A−1)2+(A+A−1)=(λ2+λ)I=I である。
次に A5=I を示す。A+A−1=λI の両辺に右から A を掛けると A2+I=λA である。したがって A2=λA−I である。これを順に用いると
A3A4A5=λA2−A=(λ2−1)A−λI=−λA−λI,=−λA2−λA=−(λ2+λ)A+λI=−A+λI,=−A2+λA=I
である。したがって
A5=I=(1001)
が示された。}